ボルグワーナーは、このたび、バッテリーモジュールおよびバッテリーパックのサプライヤーであるロメオパワーテクノロジー社との合弁会社設立に同意した。これにより、電動化ポートフォリオおよびシステム専門知識の強化を図る。合弁会社の出資比率は60対40で、ボルグワーナーがより大きな比率を占めている。
ボルグワーナーの顧客、販売ルート、優れた品質と、ロメオ社の第一級のバッテリーモジュールおよびバッテリーパック技術を合わせることで、バッテリー駆動の電気自動車に関する顧客の幅広いニーズを満たすことが可能になる。
バッテリーモジュールおよびバッテリーパックは今後、独自の熱工学技術を駆使した能動的および受動的冷却に加え、独自技術のアルゴリズムによるインテリジェントなバッテリー管理システムを搭載して性能と寿命を向上させていく。
バッテリーパックが加わることで、ボルグワーナーのハイブリッドおよび電気自動車向けの製品ポートフォリオ(電気モーター、パワーエレクトロニクス、高電圧バッテリーヒーター、電動アクスルiDM、オンボードバッテリーチャージャーなど)は、より強固に拡充される。
当合弁会社のバッテリーパック事業に関しては、第一に、性能と小型自動車に焦点を当てる。なお、ボルグワーナーはロメオパワーテクノロジーの株式の20%を取得し、2名の取締役がロメオ社の経営に携わる。この株式投資および合弁会社設立は2019年第2四半期に完了する見込み。
ボルグワーナーは、2015年より、電動化に関連した戦略的企業買収を開始した。乗用車および商用車向けのオルタネーター、スターターモーター、電気けん引モーターなど回転系電装品の主要メーカーであるレミーインターナショナル社を買収し、2017年には電化技術の世界的企業セブコン社を買収している。セブコン社はボルグワーナーのパワーエレクトロニクス能力を補完するとともに、そのポートフォリオにオンボードバッテリーチャージャーを追加した。
そして2019年2月にボルグワーナーは、カスカディア・モーション社を設立するとともに、米国オレゴン州を本拠とするふたつの企業、ラインハート・モーション・システムズおよびAMレーシングを買収した。
これらの企業は、新興の応用事例に向けた電気およびハイブリッド推進ソリューションに特化した、ボルグワーナーの100%子会社に統合された。
こうした買収と今回発表した合弁会社設立は、内燃機関、ハイブリッド、電気自動車向けの推進システムにおけるリーダーとしての戦略を遂行し続けるボルグワーナーにとって、重要な節目となる。
ロメオパワーエレクトロニクス社の創業者兼CEOであるマイケル・パターソン氏(Michael Patterson)は「ロメオはこの合弁会社設立により、ボルグワーナーの規模やリソースを得ることでバッテリーモビリティ業界に進出するという大きな一歩を踏み出します。当社は、過去4年間に多くの成果を上げた素晴らしいチームを有しています。そして今、エネルギー技術の進歩という当社の使命を推進し達成する能力を得て、当社は前進を続けていきます」と述べている。
ボルグワーナー・モールスシステムズの社長兼事業本部長であるジョエル・ウィガート氏(Joel Wiegert)は「この合弁会社は当社の有力な推進ポートフォリオを補完するだけでなく、市場における電池メーカーと、ハイブリッドおよび電気自動車に関係するお客様との間のギャップを埋めるものとして私たちは期待しています。当社のグローバルな開発および製造の実績により、先進技術を迅速に商品化し、一層の価値をお客様に提供できると考えています」と述べている。