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【法律のお話】この三輪モンキーが“ノーヘル”で公道を突っ走っても、道交法違反に問われない理由とは?


写真の三輪バイク(モンキーのトライク仕様!)は、“ミニカー登録”されているため、ヘルメット無しでも公道走行OK。制限速度も四輪車や自動二輪車と同じく、一般公道では最高60km/hでの走行が可能だ。でもやっぱりヘルメットは安全のために被ったほうがいいですよね。


REPORT●北秀昭(KITA Hideaki)


PHOTO■4MINIちゃんぷ3(2003年発売)より

水色ナンバーの「ミニカー」は、法律では自動車と位置付け

ミニカー登録車は水色ナンバーを装着。

 リヤにタイヤを二つ付けた、「三輪スクーター(スリーター ※注1)」に乗るライダーの中には、ヘルメットを被らずに乗車している人もいますよね。あれを見て、「違反じゃないの?」と思った人もいるはず。




 実用車の「ホンダ ジャイロX」や、屋根付きの「ホンダ ジャイロ キャノピー」などの原付50ccをカスタムして、ミニカーに登録変更した三輪バイク。また、50ccを超える“トライク”などの三輪バイクは、法律では“自動車”として位置付けられるため、ヘルメットの着用義務がありません(とはいえ、安全のためにヘルメットは被ったほうが絶対いいです)。




 一方、同じ三輪でも、フロント二輪の「ヤマハ トリシティ」や「ヤマハ ナイケン」などは、車輪および車体全体がリーンする(傾く)ため位置付けはバイクと同じ。ヘルメットの着用義務があります。




 上の青い三輪バイクは、モンキー50を三輪にカスタムして、ミニカー登録したユニークなカスタム。




 「ミニカー」とは、トレッド(左右のタイヤの接地面の中心と中心の距離)が500mm以上あり、排気量が20ccから50cc未満の乗り物。原付一種にある、「30km/h制限」や「二段階右折義務」から解放されるのがポイントです。




 「ホンダ ジャイロX」や「ホンダ ジャイロ キャノピー」などの原付を、ミニカーに登録変更するメリットは、ココにあります。

※注1:スリーターとは「ホンダ ジャイロX」や「ホンダ ジャイロ キャノピー」など、三輪スクーターの総称。スリー(三輪の意味)とスクーターを合わせた造語。

「三輪バイク」を運転するために必要な運転免許証は?

 ノーマルの「ジャイロX」や「ジャイロ キャノピー」は、当然、原付免許があれば運転OKですが…




 冒頭の青い三輪モンキーや、トレッド(輪距)を500mm以上に広げてカスタムした「ジャイロX」や「ジャイロ キャノピー」は、普通自動車免許が必要。




 また、50ccを超えるトライクなどの三輪バイクにも、普通自動車免許が必要。なお、フロント二輪の「ヤマハ トリシティ」などは、排気量に応じたバイクの免許が必要です。

◆トレッド(輪距)→ 【500mm未満=原付】 【500mm以上=ミニカー】

 「ジャイロX」や「ジャイロ キャノピー」などのノーマル原付スリーターは、トレッドを“原付枠”の500mm未満に設定済み。




 写真上のオレンジの車両は、原付スリーターの「ジャイロX」に、ワイドホイール&ワイドタイヤを装着し、トレッドを拡大してミニカー登録した太足系カスタム。




 トレッドが500mmを超える車両は、「原付一種」としては走行NGですが、「ミニカー」としてなら公道走行もOKとなります。

 原付スリーターを、ミニカー登録するには、ワイドホイール&ワイドタイヤを装着し、トレッドを500mm以上に広げるのが一般的。ワイドホイール&ワイドタイヤを装着するには、アルミ削り出しのオフセット用スペーサーを組み合わせるのが定番の手法。

公道走行もOK!モンキーカスタムの新境地を拓いたトライク仕様(2003年)

保安部品を採用するなど、公道走行のための登録も可能だった三輪モンキー。このトライクキットの2003年当時の価格は23万円。

公道走行のためのテールランプやウインカーも装備。保安部品を省いたバギーキットは19万8000円(2003年当時の価格)。

 2000年前半に人気を誇った4ミニパーツメーカー「TAKE」が手掛けた三輪モンキー。ます驚くのが、大柄で豪快なリヤ周り。ノーマルモンキーの雰囲気を残しつつも、ノーマルの上半身にマッチした、違和感のないフォルムに仕上けられている。




 印象的なのは、美しく滑らかな曲線を描く、トライク風のリヤフェンター。個性溢れるカスタムながら、ケバケバシサをまったく感じさせないのか大きな特長だ。




 ノーマルのニ輪状態と同様に、嫌な挙動もなく、舗装路ての乗り心地もGOOD。十分楽しく走れるのが大きなポイント。




 コーナリンクにおいては、二輪に乗るような感覚ではなく、トライクならではの独特の体重移動か必要。具体的には、バギー感覚でのライティンクが必要となる。




 しかし、これが実に面白い。コーナー入口までに十分速度を落とし、進行方向へとハンドルを除々に切る。次に、内側ヘクイッと体重を移動してやれば、上手く曲かってくれる。




 クルマでもなく、二輪でもない。独特の乗り味には慣れるまで、多少時間が必要だと思うが、コツさえ掴んでしまえはヒョイ、ヒョイと楽しく曲がれると感じた。




■4MINIちゃんぷ3(2003年発売)より抜粋 ※一部加筆修正

豪快にワイド化されたリヤフォルムに注目。

直立もできる、斬新な設計に注目。

■モンキートライクの主要スペック


リヤ周り:TAKE製三輪キット(トライクタイプ)


マフラー:三輪ミニカー専用ステンレスマフラー


フロントフォーク:TAKE製正立タイプフォーク


フロントブレーキ:TAKE製ディスクキット


ガソリンタンク:モンキー用改(ゴリラ風)


塗装:キャンディブルー


シート:ワンオフ


※各パーツ情報は2003年のもの。現在はすべて絶版です。
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