ヤマハ発動機株式会社は、水冷・4ストローク・DOHC・直列2気筒・4バルブ・320㎤エンジンを搭載した「YZF-R3 ABS」をマイナーチェンジし、6月10日より発売する。
「YZF-R3 ABS」は、「毎日乗れるスーパーバイク」をコンセプトに開発、同コンセプトの「YZF-R25 ABS」同様に、日常的な扱いやすさを確保しながらも、320cm3エンジンのゆとりあるパワーで爽快な走行が楽しめるモデルだ。
2019年モデルは、レースマシンイメージのスタイリングや定評ある走行性能に磨きを掛けている。主な特徴はMotoGPマシン「YZR-M1」をシンボルとする新しいデザインを採用するとともに次の7つ。
1)エアロダイナミクスを追求したフロントカウルとスクリーン
2)乗りやすさとサーキットでの扱いやすさを両立した新デザインのタンク&タンクカバー
3)旋回時など良好な接地感に寄与する倒立式フロントサスペンション
4)快適でスポーティな走りにフィットするライディングポジション
5)視認性の高いフル液晶メーター
6)LEDヘッドランプ採用のフロントフェイス、
7)軽快なハンドリングに貢献するラジアルタイヤ
なお、製造はグループ会社PT. Yamaha Indonesia Motor Manufacturing(YIMM)が行う。
■YZF-R3 ABS・価格……675,000円
【主な特徴】
エアロダイナミクスを追求したフロントカウルとスクリーン
フロントカウルとスクリーンは、空力特性の向上に重点を置き開発、フロントカウルは、“クロスレイヤード・ウイング”と呼ぶ立体的な構造で、走行風を後方に逃がすことによる空気抵抗の低減と効果的にエンジンを冷却する機能的なデザインを採用。スクリーン形状は車体の周りの空気を整流する効果があり、それぞれの優れた空力特性が空気抵抗によるライダーの負担を減らす。
乗りやすさとサーキットでの扱いやすさを両立した新デザインのタンク&タンクカバー
ハンドル位置を22mm、タンクトップ位置を20mm下げ(従来比)、サーキットの直線で前傾姿勢を取りやすく、旋回時には高いニーグリップ性を発揮。さらにタンクの左右最大幅31.4mm広げており、燃料タンクの容量は従来同様14Lを確保している。
旋回時など良好な接地感に寄与する倒立式フロントサスペンション
37mm径インナーチューブの倒立式フロントサスペンションを採用、倒立式のメリットである優れた剛性バランスを活かすために減衰力とバネレートの最適化を図り、旋回や制動時などの良好なフロント接地感に繋げた。また減衰力発生機構はカートリッジ式とし、伸側・圧側それぞれの最適化が可能となり、快適性とスポーツ性の良好なバランスを図っている。
快適でスポーティな走りにフィットするライディングポジション
ハンドルクラウン下にマウントしたセパレートハンドルは、スポーティなスタイリングでありながら日常の扱いやすさと快適性に配慮した。前モデルと同様にシートの高さを低く抑えたことで無理のないライディングポジションを実現し、ツーリング時のライダーの疲労感を緩和する。
視認性の高いフル液晶メーター
メーターは、新開発の視認性の高いフル液晶のディスプレイを採用。高精細なバーグラフタイプのタコメーターによりアクセルワークを視覚的に楽しむことができる。また、スピードメーターや燃料計だけでなくシフトタイミングインジケーターなどの情報をマルチに表示し、視認性の高さとレーシングイメージを両立している。
精悍なフロントフェイスを演出するLEDヘッドランプ
歴代Rシリーズと同様の二眼ヘッドランプにLEDを採用。フロントフェイスはLED二眼ヘッドランプと新造形をバランスさせて低い位置から睨みつける表情をもたせ、サーキットでの緊張感や走りへの闘志を表現した。 さらに左右ヘッドランプの中央には「YZR-M1」のアイデンティティであるセンターダクトを採用しMotoGPマシン「YZR-M1」イメージを強調している。
軽快なハンドリングに貢献するラジアルタイヤ
剛性に優れ、転がり抵抗が少ないラジアルタイヤ※(フロント110mm幅、リア140mm幅)を採用し、ハンドリングの軽快さと快適な乗り心地に貢献しています。
※タイヤの骨格を形成する部材のカーカスを中心から放射線状(ラジアル)に配置した構造のタイヤ
「YZF-R3 ABS」主要仕様諸元
認定型式/原動機打刻型式:2BL-RH13J/H405E
全長/全幅/全高:2,090mm/730mm/1,140mm
シート高:780mm
軸間距離:1,380mm
最低地上高:160mm
車両重量:170kg
燃料消費率*1:
・国土交通省届出値、定地燃費値*2…41.3km/L(60km/h)2名乗車時
・WMTCモード値 *3…27.6km/L(クラス3, サブクラス3-2)1名乗車時
原動機種類:水冷・4ストローク・DOHC・4バルブ
気筒数配列:直列, 2気筒
総排気量:320㎤
内径×行程:68.0mm×44.1mm
圧縮比:11.2:1
最高出力:31kW(42PS)/10,750r/min
最大トルク:29N・m(3.0kgf・m)/9,000r/min
始動方式:セルフ式
潤滑方式:ウェットサンプ
エンジンオイル:容量2.40L
燃料タンク容量:14L「(無鉛レギュラーガソリン」指定)
吸気・燃料装置/燃料供給方式:フューエルインジェクション
点火方式:TCI(トランジスタ式)
バッテリー容量/型式:12V, 7.0Ah(10HR)/GTZ8V
1次減速比/2次減速比:3.043(70/23)/3.071(43/14)
クラッチ形式:湿式, 多板
変速装置/変速方式:常時噛合式6速/リターン式
変速比:
1速2…500 2速…1.823 3速…1.347 4速…1.086 5速…0.920 6速…0.800
フレーム形式:ダイヤモンド
キャスター/トレール:25°00′/95mm
タイヤサイズ(前/後):
110/70R17M/C(54H)(チューブレス)/140/70R17M/C(66H)(チューブレス)
制動装置形式(前/後):油圧式シングルディスクブレーキ/油圧式シングルディスクブレーキ
懸架方式(前/後):テレスコピック/スイングアーム
ヘッドランプバルブ種類/ヘッドランプ:LED/LED
乗車定員:2名
*1:燃料消費率は、定められた試験条件のもとでの値です。使用環境(気象、渋滞等)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります。
*2:定地燃費値は、車速一定で走行した実測の燃料消費率です。
*3:WMTCモード値は、発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます。