荷物をたくさん積んでみんなで遠くへ。そんな使い方がふさわしいイメージのMFカジャー号。その積載能力を発揮するシチュエーションに恵まれた。
レポート日:2019年4月5日
オドメーター:1万3680km
TEXT&PHOTO●萬澤龍太(MANZAWA Ryuta)
日々大活躍のMFカジャー号。西へ東へ走り通しの毎日だ。しかしそのときの走行状況は編集部員がせいぜいふたり、後部座席まで人が乗るようなことはあまりなく、まして荷物を満載するということもなかなかない。
編集長KZMは「ヨーロッパの道を普通に走り回っているような、これまた普通のクルマ」という視点でルノー・カジャーという彼の地の売れ線クルマを選んだそう。彼の地の普通のクルマの使われ方なら、バカンスシーズンに定員乗車にラゲッジ満杯で数百キロを一気に走行なんていうことが珍しくないはず。そんなわけで、いつも「4人で遠くに行ってみたい」とか「荷物をありったけ積んで高速走行してみたい」と思っていた。
——とその前に、MFカジャー号の乗り心地がどうも硬い。通常走行時、路面の凹凸を忠実に拾ってしまい、サスペンションが突っ張っているような印象である。編集部に来たばかりの頃に(ひょっとするとオドメーターが進めばダンパーが馴染んで改善されるかな)などと思ったのだが、10000kmを超えてなおイメージは大きく変わらず。というわけでタイヤの空気圧を少々下げてみることにした。
数字としてはおよそ1割の20kPa、四輪ともに抜いてみた。MFカジャー号は結構エクストリームなところに駐車していて、そこを出るとき、そこを出たとき、ともに路面が結構荒れている。極低速時のその状況で角がずいぶん丸くなった。さすがに20kPaの威力は小さくない。その後、高速道路で80km/h程度の速度で走ってみても空気圧が低下したことによる「足の取られ」みたいな現象もなく、概ね満足できる性質を見せてくれた。
閑話休題。積載性の話である。自宅のダイニングに、もう一脚、チェアを増やしたいと思った。テーブルが大きく、客人の来訪も多いので、ここらで思い切って数を増してしまおうとなった次第である。買おうと思ったのは、背もたれのある木製チェア。プランビューでは500mmスクエア程度の面積なのだが、背面高さが900mm弱あるデザインである。かさばる形状ゆえ、店から配送してもらうと数千円がかかるという。どうしようか……と悩んだまま、そのままほったらかしの日々だった。
そんなある日、編集部総勢でカジャーで取材で出かけ、帰社しているときにふと、その店がすぐ近くなのに気がついた。「ちょっと、椅子買ってきてもいい?」と訊くと、「でも4人も乗っているよ」「リヤシートたたまないと入らないんじゃない」ということに。しかし「乗れなかったら電車で帰るよ」という温かい言葉をもらい、見切りで購入。さてどうだろうか……と試してみたのが下の写真である。
いやはや、参りました。こういうところ、フツーのフランス車ってすごいです。