レブスピードに掲載している「COOL SPEC」は、チューニングショップとともにつくりあげてきたオーナーカーの好事例を紹介する企画。ここではオートガレージMとつくりあげたランサーエボリューションXをピックアップ。2ペダルで、エアコンを効かせて走る先進志向なサーキットアタッカーだ。
Text●勝森勇夫 Photo●清水良太郎
パワーは控え目。SST のストレスを回避するチューニング
265 幅タイヤを装着。外装の色使いにもコダワリがある
バリス、イングス、ボルテックス、バルディスポルト。エアロはパートごとに厳選し、機能やデザインを優先してアイテムを起用する、ブランドミックススタイル。カラーはブルーとブラックの2 色使いで、黒い部分はすべてカーボン地で表現した。タイヤは前後ともに一般的な265 よりワンサイズ太い275 幅を、リアのフェンダーを若干加工してセット。車高は前後30 ㎜ダウン。ブレーキングとコーナー脱出時のトラクションを重視し、キャンバー角は浅め。
ストップ&ゴー的な走りに最適なフットワーク
限界までブレーキングを我慢して減速、一気に向きを変えてアクセル全開で立ち上がる。それが安藤さんの考えるエボⅩ SST 車のベストな走法。サスペンションとブレーキは、そんなオーナーの走りをアシストするセッティング。ファイテックスベースの足は姿勢変化を抑えたショートストローク仕様で、一気に向きを変える走り方にジャスト。一方、HKS のシステムを起用するブレーキは、ZONE のパッドで初期制動を強めにし、制動ポイントを目いっぱい、奥に取る。
軽量化なし、A/C もきっちり搭載。サーキット専用車ながら快適さはキープ
エンジン、ボディ、内装ともに10 年、10 万キロを突破した個体とは思えないコンディション。室内に軽量化の跡はなく、柿本改の競技用アイテムをベースに加工したマフラーは、排気調整バルブで音量を室内から自由にコントロールできる仕組みだ。走行時はS スポーツ・D モード、トラコンはキャンセル。ダッシュ上のタブレットはサーキットカウンターとして、ナビはバックモニターとして機能。目線移動も最小限にし、ドライビングに集中できる環境をつくる。
THE SPECIFICATION■オートガレージM 香川県高松市上天神町751-7 TEL087-816-8777 http://autogarage-m.com
■エンジン:4B11 型/排気量:1998cc /最高出力:379.4ps /最大トルク:53.1 ㎏-m /最大ブースト:1.6 ㎏ / ㎜ ■オートガレージM オリジナルECU / HKS EVC ■ HKS レーシングサクション ■サードメタルキャタライザー ■オートガレージM オリジナル加工マフラー(排気調整機構付き)
■ブリッツ レーシングラジエーター ■ファイテックス 車高調キット(F:12 ㎏ / ㎜、R:10 ㎏ / ㎜) ■ HKS ブレーキシステム/ZONE ブレーキパッド ■バリス フロントバンパー/フロントフェンダー、イングス+1 リアスポイラー、ボルテックス GT ウイング、バルディスポルト カーボンボンネット、リアフェンダー10 ㎜オーバーサイズ加工 ■ POTENZA RE71(F&R:275/35R18) ■ボルグレーシングZE40(F&R:18 × 10.5J 24) ■レカロRS-GS ■タカタ4 点ハーネス ■ HKS ブーストメーター/ブリッツR-FIT DS