■ Fiat Pratola Serra series 2.2 D:55284529
シリンダー配列 直列4気筒
排気量 2143cc
内径×行程 83.0mm×99.0mm
圧縮比 15.5
最高出力 154kW/3500rpm
最大トルク 470Nm/1750rpm
給気方式 ターボチャージャー
カム配置 DOHC
ブロック材 アルミ合金
吸気弁/排気弁数 2/2
バルブ駆動方式 ロッカーアーム
燃料噴射方式 DI
VVT/VVL ×/×
2月18日にFCAジャパンが発表したアルファロメオ・ステルヴィオ/ジュリアのディーゼル仕様に搭載されるエンジン。イタリアのプラトーラ・セッラで生産されることからPratola Serra Modular engine(PS)と呼称されている。モジュラーの文字から想像されるように、近年流行のガソリン/ディーゼル共通設計思想で仕立てられるエンジンシリーズである。
始祖は1994年に登場したランチア・カッパに搭載された2.0ℓガソリン(自然吸気)/2.5ℓガソリン(自然吸気)/2.4ℓディーゼルのラインアップ。なんといずれもが直列5気筒であった。その後、ガソリン1.4、1.6、1.75、2.0、2.5ℓ/ディーゼル1.6、1.9、2.0、2.2、2.4ℓと猛烈な勢いでファミリーを増やし、現在に至っている。
本稿の2143ccディーゼルターボの特色として、アルミブロックであることが挙げられる。というのはPSエンジンは基本を鋳鉄ブロックとしていて、アルミキャストブロックを用いているのはこの2143ccディーゼルと1742ccガソリンのみである。低圧鋳造を用いたライナ鋳込構造で単体重量は27kg、ボアピッチは90mm(PSファミリー共通値だと思われる)。ベッドプレート構造のロワブロックで、クランクシャフトを強固に抑え込んでいる。幾何学的圧縮比は15.5と、近年の欧州ディーゼルとしては低めの値とした。
ややこしいことに2184ccディーゼルというエンジンも存在していて、こちらは鋳鉄ブロック。同じグループであるジープに搭載されている。
燃料噴射はもちろんコモンレールシステムを採用、ボッシュのCRI 2.0型でソレノイドインジェクタ、最大噴射圧は200MPa、8回噴射/サイクルという制御を用いる。
ターボチャージャーはVGベーンを用いる可変容量型で、ユニークなのは過給効率を高めるために「ターボRPM」なる制御を用いていること。レスポンシブ・パフォーマンス・マネジメントの接頭語で、ターボスピードセンサなどを盛り込んだとリリースにはあるので、なんらかの手段でタービン/コンプレッサホイールの回転数を把握しながら過給を緻密にコントロールしているものと思われる。ホイール軸にボールベアリングを採用しているのもユニークだ。
後処理装置は2段構えの尿素SCR式でNOx処理、当然DPFや酸化触媒も備えてポスト新長期規制をクリアしている。
ステルヴィオには154kW/470Nm仕様を、ジュリアには140kW/450Nm仕様を用意する。なお、後者のエンジンコードは46335975。