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プリウスのJC08モード燃費がマイナーチェンジで悪化した理由


昨年12月に行なわれた四代目プリウスのマイナーチェンジ。デザインが大きく変わった点に注目が集まっているが、諸元表をよーく見るとJC08モード燃費が少し悪くなっている!?

 ラインナップ中でJC08モード燃費が最も良い「E」グレードの数値は、マイナーチェンジ前は40.8km/ℓだった。これが現在発売されているモデルでは39.0km/ℓとなっている。今回メカニズム面での変更は特にアナウンスされてはいないが、なぜモード燃費の数値が変わったのだろう。



マイナーチェンジ後の「E」グレード。
こちらは2105年フルモデルチェンジ時の「Eグレード」。


 種明かしをすると、これは「E」グレードの車両重量が変わったから。マイチェン前は1310kgだったが、マイチェン後は1320kgと10kg増えている。JC08モード燃費の測定は実走ではなくシャシーダイナモ上で測定されるが、車両重量によってダイナモの慣性重量が段階的に増やされていく。そして1310kgは段階が切り替わる車両重量で、1311kg〜1420kgの車両重量のモデルよりモード燃費測定で有利になる。




 なので四代目プリウスの登場時は、装備が簡素化で重量も軽くできる最廉価グレードの「E」はこの境目となる車両重量1310kgにこだわっていたのだ。しかし、今回のマイナーチェンジではコネクティッドサービスに使われる専用通信機DCMや、より高性能になった予防安全装備を全グレードに標準装備したので(以前は「E」グレードはオプション)重量が増加しているわけ。




 ちなみに、「E」グレード以外のプリウスはマイチェン前後でJC08モード燃費に変更はなく、FFモデルは37.2km/ℓ、4WDモデルは34.0km/ℓのままである。



パワートレーンに変更はないが、リチウムイオン電池搭載グレードが増えた。

 モード燃費の優劣を各メーカーが激しく争っていた時代なら、プリウスもマイナーチェンジで車両重量1310kgにこだわったかもしれないが、安全装備の充実などユーザーによりメリットが大きい選択をトヨタが行なったことを評価したい。車両重量が軽いほうが実燃費に貢献するのはもちろんだが、わずか10kgの差では、ほとんど影響はないと言えるだろう。

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