デトロイトから生配信された新型スープラの発表会の模様は多くの方が視聴されているようです。豊田章男にとって悲願だったスープラの復活が、TOYOTA GAZOO Racingのプロダクトとして実現しました。そんな豊田章男社長は英語でスピーチを行いましたが、日本人にはあまり馴染みのない表現が多用されていたようにも聞こえました。
※写真はTOYOTA GAZOO Racingの映像よりキャプチャー
デトロイトで開催されているデトロイトモーターショーでは、豊田章男社長が新型スープラの発表に際して、英語でのスピーチを行いました。
流暢であり、ユーモアと笑いに溢れた内容でしたが、ひとつ興味深い表現があったのでご紹介しましょう。
豊田章男社長が、スープラへの強い愛着と愛情を語っている、映像だと5分くらいからの部分です。
「かつて、私と古いスープラは、私がマスタードライバーとなるための無数の時間をすごしてきました。しかし、みなさんも想像できるでしょう。
ほかの自動車メーカーは、新しいプロトタイプのクルマで走っていて、非常に悔しい思いをしました。スープラでのドライブは、まるでクルマバージョンの『チャーリーブラウンのクリスマスツリー』のようでした」
とのフレーズです。
(当訳は公式ではありません。かなり意訳しています。誤訳があったら申し訳ありません。ご指摘いただければ幸いです)
このストーリーは、「チャーリーブラウンのクリスマス」というテレビアニメに出てくるワンシーンに登場します。
チャーリーブラウンは、友達からお金を預かって一番良いクリスマスツリーを買いに行きます。でも、チャーリーブラウンは一番貧相でみすぼらしいクリスマスツリーを買ってきてしまい、みんなをガッカリさせてしまうという内容です。
つまり、豊田章男社長は、他の自動車メーカーのテストドライバーがそのメーカーのプロトタイプカーを走らせているのに対し、自分は古い80スープラで走らなければならないみじめさを表現していると思われます。
しかし、この話にはまだ続きがあるのです。チャーリーブラウンがこのみすぼらしいツリーを選んだのは、他のツリーとちがって、唯一作り物ではなく本物の木でできたツリーだったからだというのです。
人生にとって大切なものとは何か。
本物とはなにか。
「チャーリーブラウン」の作者は、そんなテーマを視聴者に投げかけていたのではないでしょうか。
果たして新型A90スープラは、80スープラに負けない本物のピュアスポーツカーなのか。
ぜひ、その感想を豊田章男社長、いや、モリゾウ選手にニュルブルクリンクで聞いてみたいと思います。