JFEスチールは、西日本製鉄所で高炉に装入する原料コークス粒度分布を最適化するために操業方法を改善してきた。広範な現場での試験の結果、JFEスチールは、高炉操業・制御方法の改善に向けて複数のMBV Systems社製3DPMオンライン粒度分布測定システムを導入した。
高炉操業および鉄鋼製品の製造には高炉に装入するコークス粒径が重要だ。高炉内を均等な熱分布にし設計通りの製品性能を実現するために、コークス粒子間をスムーズにガスが流れるような粒度分布を設計する必要がある。3DPMを使用することにより、コークス粒度分布をオンラインで推定できるようになるため、粒度分布の制御が可能となり結果として高炉操業を改善できる。
オーストラリアのビジョンスペシャリストであるIMV (Innovation Machine Vision) のマシュー・サーリー博士、及びルレオ工科大学（LTU）の協力によりMBV Systems社によって開発された3DPMは、世界最先端技術を利用したオンライン粒度分布測定のためのビジョンシステム。3DPMは、頑丈に保護されたレーザー三角測量に基づいた高速3Dプロファイル測定を使用して、過酷な産業環境でのシームレスで低メンテナンス性を保証する。3DPMのコア技術は測定した粒子の内部データ表現、粒子ごとの分離処理、粒径への変換を含む先進的なアルゴリズムであり、自動制御に適した信頼性の高い安定した測定が可能だ。
JFEスチールの担当主任研究員は、MBV Systems社の3DPM導入成果に非常に満足しており、3DPMはJFEスチールが求めていたものであった。「3DPMは高炉の運転に非常に便利なツールでユーザーフレンドリーである」と述べている。3DPMシステムの導入によって製造効率・性能改善が図られたが、高炉操業の更なる解明のために引き続きコラボレーションを続けていく予定。両社は3DPMを用いた新たな測定要素の開発にも取り組んでいく計画だ。
