サイプレス セミコンダクタ社は2019年1月8日 (米国時間)、米国ネバダ州ラスベガスで開催されているコンシューマ エレクトロニクス ショー (CES) において、業界をリードする車載インフォテインメント向けワイヤレス コネクティビティ ポートフォリオを拡張する3種類の新製品を発表した。Wi-FiおよびBluetoothコンボ チップとサポート ソフトウェアがセットとなりアプリケーション開発プラットフォームとして機能するこの新製品は、複数ユーザーが最大10台のモバイル デバイスに同時に接続し、異なるコンテンツをシームレスにストリーミングすることを可能にする。
新しいインフォテインメントプラットフォームのひとつは、サイプレスのRSDB (Real Simultaneous Dual Band) アーキテクチャを採用したWi-Fi 6 (802.11ax) およびBluetoothコンボソリューション。RSDBは、高品質なコネクテッドインフォテインメントエクスペリエンスのデファクトスタンダードとなっており、ふたつの完全なWi-Fiサブシステムをひとつのチップに統合することにより、ふたつの異なるデータストリームをフルスループットで同時実行することを可能にする。Wi-Fi 6はギガビットレベルのスループットを実現し、複数デバイスへの同時コンテンツストリーミングの信頼性を高める。
サイプレスはさらに、Wi-Fi 5 (802.11ac) およびBluetoothコンボソリューションを2種類リリースした。ポートフォリオが拡張されたことにより、自動車メーカーおよび自動車部品メーカーは単一のソフトウェアアーキテクチャで幅広い車種に対応するスケーラブルなプラットフォームソリューションを獲得できるようになり、開発コストやシステム統合コストの最小化に貢献する。
サイプレスのIoTコンピューティング&ワイヤレス事業部のマーケティング担当副社長であるBrian Bedrosian氏は「自動車メーカーは、家で利用可能なマルチユーザーアクセスやメディアストリーミングなどのプレミアムなパーソナルメディアエクスペリエンスを、車載環境でも実現することを目指しています。サイプレスは、プラットフォームアプローチにより車載インフォテインメント専用に設計された製品ラインアップを業界で唯一提供しています。自動車部品メーカーや自動車メーカーは、サイプレスのローエンド、ミッドレンジ、およびハイエンドソリューションを使用することにより、低価格車から高級車までカバーできます。車載ワイヤレスコネクティビティのユースケースを想定したソフトウェア開発は、ますます複雑化しています。サイプレスのスケーラブルなプラットフォームを利用すれば、ソフトウェア開発コストを各種モデルのインフォテインメントシステム間で分散させることができます。今回発表されたソリューションは、幅広い市場のお客様に対する世界水準のIoT (モノのインターネット) コネクティビティの提供に向けた重点的な取り組みの一環として、最先端技術を統合しようとするサイプレスの意欲を示すものです」と述べている。
プレミアムインフォテインメントシステムは、Apple CarPlayやAndroid Auto、Mirrorlinkなどのアプリケーション向けにワイヤレスミラーリングを実現するため、高スループット、マルチロール、並行動作が要求される。サイプレスのWi-FiおよびBluetoothコンボソリューションは、これらのニーズを満たすだけでなく、Wi-Fiホットスポットおよびコンテンツへの同時アクセスに加え、ビデオやBluetoothオーディオのマルチバンド/マルチ無線接続も実現する。サイプレスのCYW89650 2x2 plus 2x2 Wi-Fi 6およびBluetooth 5.0コンボソリューションは、1Gbps以上のスループットを実現するほか、RSDBアーキテクチャにより高性能インフォテインメントシステムにおいて、オーディオまたはビデオの劣化を伴うことなく並行動作が可能。RSDBを採用した新しいCYW89459 2x2 Wi-Fi 5およびBluetooth 5.0コンボは、サイプレスの現行車載Wi-Fi 5ソリューションの成功をベースにしており、より多くのコネクテッドデバイスをヘッドユニットに接続できるほか、WPA3セキュリティ、Wi-FiLocation、Wi-Fi Awareなどの新機能を搭載している。さらに、コスト効率に優れたCYW89373 1x1 Wi-Fi 5およびBluetooth 5.0コンボソリューションが加わったポートフォリオにより、途切れのないエンターテインメントエクスペリエンスを実現する先進的なワイヤレス接続性能とメディア共存管理を大衆車から高級車まで幅広くもたらす。
サイプレスの車載ワイヤレスソリューションは、車載向けAEC-Q100規格グレード3に完全準拠している。サイプレスの現行ソリューションは数多くの主要自動車メーカーおよび自動車部品メーカーに採用されており、カーキットでスマートフォンの画面ミラーリングやコンテンツストリーミング、Bluetooth音声接続などのインフォテイメントおよびテレマティックスアプリケーションに対応している現行量産車に使用されている。
サイプレスは、米国ラスベガスコンベンションセンターで開催中のCES2019において、車載ワイヤレスソリューションを、車載システムおよびIoT向け組み込みシステムの全ポートフォリオと併せてデモ実演する (南ホール2、MP25776会議室) 。