12/20に警察庁が発表した、「ながら運転」に関する罰則強化試案の内容が、パブリックコメント募集開始と共に明らかになった。それによると、なんと、携帯電話使用等(カーナビゲーション等も含む)が原因で交通の危険を生じさせた場合、「交通反則通告制度」、いわゆる反則金制度の適用がハズされるとか。現状は試案ではあるものの、もし法律として成立すると、もう青切符じゃ済まなくなるということなのだ!
「交通の危険」=死傷事故?
その試案の内容は、こうだ!
2 携帯電話使用等対策の推進を図るための規定の整備
(1)運転中の携帯電話使用等に関する罰則の強化
運転の携帯電話使用等に関する罰則を強化し、携帯電話使用等(交通の危険)については、1年以下の懲役又は30万円以下の罰金(現行は3月以下の懲役又は5万円以下の罰金)とし、携帯電話使用等(保持)については6月以下の懲役又は10万円以下の罰金(現行は5万円以下の罰金)とします。
(2)携帯電話使用等に関する反則金の限度の引き上げ
携帯電話使用等(保持)に対する反則金の限度額を、大型自動車等については5万円(現行は1万円)、普通自動車等については4万円(同8千円)、小型特殊自動車等については3万円(同6千円)とします。(携帯電話使用等(交通の危険)については非反則行為とします)。
(3)携帯電話使用等(交通の危険)の違反行為をし、よって交通事故を起こして人を死亡させ、または傷つけた場合について、免許の効力の仮停止の対象とすることとします。
(1)の携帯電話使用等(保持)の罰則強化は、あまり気にしなくていいだろう。罰則はどうあれ、素直に違反を認め反則金制度の適用を受け、反則金を支払えば、それでおしまいになるからだ。もちろん、従来の5倍の反則金というのは痛い(普通車で4万円というと、スピード違反の反則金の上限より5千円も高い!)が、裁判に持ち込んで懲役や罰金をくらい、前科者になるよりはまだマシだ。
注目はやはり、(2)の、携帯電話使用等(交通の危険)に従来適用されていた反則金制度が適用されなくなるということ。否応なく赤切符を渡され、裁判所に出頭しなければいけなくなる。罰金で済んだとしても、前科者になることに違いは無い。さらに、免許停止の行政処分を受けることになる。12/20の報道ではいまいちはっきりしなかったが、これで明確になったというわけだ。
では、携帯電話使用等(交通の危険)とは一体、どういうことなのか。(3)に「事故を起こして人を死傷させたら免許停止の対象にしますよ」とあるが、元々、赤切符=免許停止ということを考えれば、「交通の危険」=「死傷事故を起こすこと」と考えるのが自然だ。つまり、事故さえ起こさなければ、あるいは運転中にスマホを見てたら誤って電柱やガードレール突っ込んじゃったとかの、いわゆる物損事故(自損事故)であれば、携帯電話使用等(保持)の反則行為で済むと捉えることも出来る。一体、どう運用されるのか、興味津々だ。
とはいっても、これはあくまでも試案であり、正式な法案として国会に提出され、審議の後、可決されるまでにはまだ時間がある。事実、警察庁は平成20年からの施行を目指しているそうだが、その前に、せっかく、パブリックコメント(意見公募)を募集してくれているので、ぜひ、興味のある人は、応募してみては?
「道路交通法改正試案」に対する意見の募集については、こちら!
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