「YOKOHAMA HOTROD CUTSOM SHOW(ヨコハマ ホットロッド カスタムショー)」が、パシフィコ横浜にて今年も12月2日(日)に開催され、1万8000人の来場者で賑わいました。出展はカスタムショップやペインターらがメインですが、そんななかひときわ目立つ大きなメーカーブースがあります。「我こそはカスタムシーンを牽引する」と言わんばかりの、ハーレーダビッドソンです。
FREEWHEELERやFXDR114を展示。 2019年モデルで新登場したばかりのFXDR114。
純正カスタムパーツでモディファイされたFATBOB114。 パフォーマンスキットはステージIVまで用意される。
ハーレーダビッドソンは純正アクセサリー&カスタムパーツを豊富にラインナップし、車検適合の合法カスタムが楽しめます。最新のビッグツインエンジン「ミルウォーキーエイト」の排気量は1745ccと1868ccの2本立てで、ストック状態でも充分に大きいのですが、さらに1916ccまでスケールアップするキットをメーカー純正でリリースし、全国の正規ディーラーで組み込めてしまうから驚きです。カスタムカルチャーをメーカーが後押しする姿勢は、昔も今も変わりません。
Born Free 10でBest in Showを獲得したリアルレーサーも 夏の終わり、1903年の創業以来本社を構え続けるアメリカ・ミルウォーキーで、ハーレーダビッドソン115周年アニバーサリーイベントがおこなわれました。公式会場にはカリフォルニアで人気のカスタムショー「BORN FREE」も招かれ、さまざまなバイクの展示がありましたが、なかでもひときわ異彩を放っていたのが、いにしえのランドスピードレーサー(最高速度記録挑戦車)を再現した1948年式UL"Blackbird"です。
今夏、アメリカ・ミルウォーキーの創業115周年イベントで展示された1948年式UL"Blackbird"。 Built The Traditional Way / Justin Walls / Co-designer Bobby Green
記念すべき第10回となった6月の「Born Free 10」では、栄えある"Best in Show"を受賞。空力を考慮した外装やホイールで、ライダーは伏せるように前傾姿勢となって走ります。ビルダーのJustin Wallsさんによると、地上最速を競うボンネビル・ソルトフラッツ最高速度トライアル(アメリカ・ユタ州)に参戦するとのことです。サイドバルブエンジンを搭載した、その美しい姿がホットロッド カスタムショーにもあり、注目を浴びていました。いったい、どれほどの記録を出すのでしょう。今から楽しみです。
YOKOHAMA HOTROD CUTSOM SHOW2018にゲストとして招かれたBuilt The Traditional Way / Justin Walls / Co-designer Bobby Greenの1948 Harley Davidson UL “Blackbird”。
ハーレーダビッドソンミュージアム(ウィスコンシン州ミルウォーキー)にあるレコードブレーカー「STREAM LINER」(1937年、ナックルヘッドエンジン搭載)。
まだある! 気になる最新Vツインカスタムたち クランクケースに合わせてシェイプされたシングルダウンチューブの美しいフレームに、ナックルヘッドを搭載。リーフスプリングフォークやハンドル、燃料タンク、フェンダーの造形美も素晴らしい。相変わらずの完成度の高さでした、ASTERIS(アスタリスク)。
「バイクとしての美しさを最大限に出せるよう、バランスを大事に製作しました」というHIDE MOTORCYCLE(ヒデ モーターサイクル)のアイアンスポーツカスタム。ニッケルメッキのフレームにアルミポリッシュの外装で、ブルーと白と差し色で赤が使われています。古のレーサー感がたまりません。
リジッドフレームに積まれているナックルヘッドエンジン、メタリックな外装やホイール、すべてがソリッドで美しいBIKE GARAGE KOKORO(バイクガレージココロ)のマシン。前傾となる垂れ角の付いたハンドルが組み合わされ、スポーティそしてスピード感も伝わってきます。
Katie's Customs(ケーティーズ カスタムズ)のスポーツスターも唯一無二の存在感を漂わしていました。ミニマムなスタイルで、ソロシートより後ろは何もない軽快なテールセクションが目を惹きます。余計なものは一切省かれていますが、どこかゴージャスでさえあるのはなぜでしょうか。
SURE SHOT(シュアショット)のスポーツスターは、軽快なフラットトラックスタイルの中にダウンドラフトのツインインジェクションを組み込み、豪快なパワーを見る者に予感させます。足まわりが武装され、トランプ製の2-1マフラーを装着。カテゴライズできないノンジャンルな1台です。
人気のクラブスタイルも健在です。1980年代から90年代半ばまで販売されたFXRがベースモデルとして人気ですが、BOOTLEG(ブートレグ)ではエボリューションの心臓部をツインカムエンジンにスワップし、さらに足まわりを徹底強化。ハイポジションのアップハンドルも王道的です。
Selected Custom Motorcycle(セレクテッドカスタムモーターサイクル)はダイナやFXRではなく、ツーリングファミリーのFLTR ロードグライドをクラブスタイルに昇華させているから驚きます。そして、エンジンはS&Sの143キュービックインチ(排気量2343cc)160PSオーバー。まさに超弩級です。
SATO MARINE CYCLE ショベルヘッド SEVENMOTORCYCLES 1967FLH
HUMONGOUS CUSTOMCYCLES 1969 FLH Cherry's Company 1968FL
STOOP MOTORCYCLE 1966 FLH 45DEGREES DYNA
TRIJYA 2013FXSTF TRIJYA 2007SOFTAIL
青木タカオバイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。自らのモトクロスレース活動や、多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。
BMWの新型エンジン世界初披露! ホットロッド カスタムショー2018