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BMWの新型エンジン世界初披露! ホットロッド カスタムショー2018


日本のカスタムファンらからはもちろん、海外からも注目を集める国内最大級のカスタムショーが、毎年12月はじめの日曜日にパシフィコ横浜でおこなわれている「YOKOHAMA HOTROD CUTSOM SHOW(ヨコハマ ホットロッド カスタムショー)」です。27回目を迎えた今年は12月2日(日)に開催され、出展車数はクルマ300台、バイク650台。1万8000人もの来場者があり、海外からも1700人が訪れました。




REPORT&PHOTO●青木タカオ(AOKI TAKAO) PHOTO●BMW Motorrad

 熱烈なファンが存在する一方で、“ホットロッド”ですとか“カスタム”と聞くと、苦手に感じる人もいるかと思いますが、今回まず紹介するのは、近い将来に登場するニューモデルに関するビッグニュースなので、もう少しだけおつき合いください。




 まず、栄えある「Best of Show Motorcycle」に選ばれたのは、Custom Works Zon(カスタムワークス ゾン=滋賀県)のカスタムバイクでした。ビルダーの吉澤雄一さん&植田良和さんは、高校生時代の同級生コンビ。アワードの常連で、日本屈指のカスタムビルダーとして海外にも広く知れ渡っています。




 今回の「R18 DEPARTED」も、じつに斬新。相変わらずすべてハンドメイドで、外装はアルミの板から叩き出し、精巧なトラスフレームは鉄のパイプから、フロント21/リヤ26インチのホイールはアルミの塊から削り出されたものです。フロントフォークやスイングアームは、鉄の無垢材から製作していて、どれほどの手間と時間がかかったことか……。間近で見ていると、その造形美はもはやアートの域に達していると感じずにはいられません。

謎のボクサーツインは、今後デビューのBMW最新エンジン!!

 注目は水平対向2気筒エンジンです。BMWのR nineT用にしてはシリンダーヘッドが大き過ぎる気がします。一体これは何のパワーユニットなのでしょう。植田さんにうかがってみました。


「BMWが新開発した新型エンジンらしいのですが、排気量を含め詳しくは何も知りません。カスタムのオーダーを受けて、今回ここに発表したのです」




 なんと、まったく新しいBMWの次世代ボクサーツインエンジンとのこと。言うまでもなくBMWといえば、ドイツの超大手自動車&モーターサイクルメーカー。近い将来発売されるニューモデルの心臓部を、日本のビルダーに託し、日本のカスタムショーで初披露なんて信じられません。




 BMW Motorrad JAPANの広報担当者がいたので確かめると、「その通りです」とのこと。さらに「今はまだ何も言えませんが、このエンジンを積みどんなモデルが登場するのか、いろいろと想像していただき楽しみにして欲しいと思います」と、言います。BMWのこの“仕掛け”、前代未聞です。

Custom Works Zon 植田良和さん
Custom Works Zon 吉澤雄一さん


 植田さんはさらに教えてくれました。


「プッシュロッドカバーもありますが、OHVかどうかさえもわかりません。吸気系はECUやインジェクションがなかったので、とりあえずキャブレターを装着して走行できるようにしてあります」




 アワードを受賞して吉澤さんも安堵の様子です。


「こんな機会をBMWにいただいたからには、ショーをとって世界にアピールしなければって責任を感じていましたから、Best of Show Motorcycleをもらってまずはホッとしています」


 国内外のメディア関係者から、ふたりは質問攻めでした。





欧州勢の縦置きエンジン搭載カスタムが強い存在感!!

BMW R100RS(1987年)Wedge Motorcycle
BMW R100RS(1987年)Wedge Motorcycle


R100RS(1991年)46 Works
MotoGuzzi Lemans1000 Custom(1978年)46 Works


BMW R75(1976年)平和モーターサイクル
R nineT Scrambler001 平和モーターサイクル


 ショー会場を歩いていると、縦置きエンジンの存在感が目立ちます。Best Motorcycle Europeanを受賞したのは、Wedge Motorcycle(ウェッジモーターサイクル)のBMW R100RS(1987年)でした。




 ユーロ・モーターサイクルでのカスタムといえば、八ヶ岳南麓のファクトリーで製作活動を行う46 Works(ヨンロク・ワークス)。今回はR100RS(1991年)でReturn of Cafe Racer's Pickを受賞。MotoGuzzi Lemans1000 Custom(1978年)も展示し、ファンらから熱視線を集めていました。




 平和モーターサイクル(広島県広島市)はBMW R75(1976年)と、BMW Motorradからのオーダーによって製作されたR nineT Scrambler001を披露。ヨーロッパの主要カスタムショーで称賛されての凱旋帰国です。



Best Cafe RacerはKatsu Motorworks(カツモーターワークス、福岡県宗像市)のMotoGuzzi VII Sport Scura(2002年)。V11 スポーツ・スクーラは世界限定600台のレアモデルです。重厚感のあった外装を外して、軽快なカフェレーサーに仕上げています。

1934 BMW McKenna 9T Concept 7

 ゲストのバイクにも縦置き水平対向2気筒エンジンが積まれていました。ローランド・サンズが手がけた1934 BMW McKenna 9T Concept 7です。BMW R7は1934〜35年にBMWが製作したプロトモデルで“幻の試作車”とも呼ばれ、ドイツ・ミュンヘンにあるBMWミュージアムに展示されていますが、エンジンを現代のR nineT にして再現。その流麗な車体は、見とれずにはいられません。





 最後までおつきあいいただき、ありがとうございます。ヨコハマ ホットロッド カスタムショー2018で見た縦置きエンジン搭載モデルたちは、いかがでしたか。見るからに軽快で、スタイリッシュです。今回はカスタム最前線で見たトレンドの1シーンをお届けしました。




青木タカオ

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。自らのモトクロスレース活動や、多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

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