同じTNGAプラットフォームを使うコンパクトクロスオーバーのレクサスUXとトヨタC-HR。サイズは近いものの、メカニズムには意外に大きな差もある。ここではその違いをいくつかチェックしてみよう。
まずはボディサイズ。C-HRは全長×全幅×全高は4360mm×1795mm×1550mm(FF車)でホイールベースは2640mmだ。対するレクサスUXは4495mm×1840mm×1540mmで長く幅広くなっている。ホイールベースは2640mmと同じ。車両重量はC-HRが1400kg〜1470kgに対してレクサスUXは1470kg〜1640kgとボトムは同じ程度だがかなり重い。だがこれは、後述するパワートレーンと駆動方式の違いによる部分も多分にある。
次にパワートレーンを比較してみよう。C-HRは1.2ℓ直4直噴ターボ(116ps/18.9kgm)と、1.8ℓ直 4(98ps/14.5kgm)+モーター(72ps/16.6kgm)のハイブリッドを用意。ターボはFFと4WDが選択でき、ハイブリッドはFFのみだ。海外向けには2.0ℓ直4も用意されている。
レクサスUXは、2.0ℓ直4(174ps/21.3kgm)と、2.0ℓ直4(146ps/19.2kgm)+モーター(109ps/20.6kgm)を加えたハイブリッドの2タイプで、C-HRよりもパワフルだ。またC-HRとは逆に、ハイブリッドにのみ4WDが設定され純エンジン車はFFのみとなる。バッテリー等で重くなるハイブリッドに四駆を設定しているので、車両重量が重くなっているのだ。
インテリアも基本的なレイアウトは似ており、高めに配置されたナビディスプレイや、アームレストに連なるコンソールなどデザインの大まかな考え方は共通。だがレクサスUXはさすがプレミアムブランドであるだけに、豪華な装備やさまざまな装備が加えられている。
レクサスUXはではナビディスプレイが10.3インチの大型横長ワイドになり(C-HRは9インチが基本)、メインのメーターもTFTタイプとなり多彩な表示に対応。またドライブモードスイッチはインストゥルメントパネル両サイドにドライブモードセレクトスイッチやVSCスイッチをレクサスLCにように配置しているのも特徴。
プレミアムコンパクトであるだけに、レクサスUXには個性的な装備も多い。空調コントロール用スイッチは、非接触給電式のLED照明を内蔵するフローティングベントコントロールイルミネーションを設定し、奥行きのある光り方で高級感を演出。これはレクサス初にして世界初の装備だ。ナビやオーディオの操作には指先で操作できるリモートタッチを使う。
足まわりにもレクサスUXは独自の装備を用意。フロントサスペンションの上部には上質な走りに貢献するパフォーマンスロッドを装備するだけでなく、ステアリンギヤのブレースも全グレードに標準装備する。17インチの新ホイールは、フォーミュラカーの知見を活かしスポークの両サイドに立てたフィンで低圧の渦を発生させ、制動時にブレーキ内部に貯まる熱を排出する。
このように装備が充実しているのはレクサスならでは。とはいえ価格を比較してみると、C-HRは1.2ターボのFFが229万円/260万5200円、1.2ターボの4WDが248万4400万円/279万9600円、FFのみのハイブリッドは261万4000円/292万9200円という設定。対してレクサスUXは、FFのみの2.0L車が390万円〜474万円、ハイブリッドのFFは425万円〜509万円、4WDは451万円〜535万円と、かなりのお値段だ。LEDヘッドランプやリモートタッチ、TFT液晶式のメーターやプレミアムサウンドシステムを含む10.3インチナビ/オーディオがレクサスUXは全グレードに標準装備なので、ナビは全車オプションのC-HRとこの点で価格差は最低でも30万円ほど縮まるとはいえ、この2車で購入を迷うということはあまりないのではないだろうか。