旬なクルマの情報を網羅した「モーターファン別冊 統括シリーズ」。今回は「Vol.106 2018-2019年国産&輸入SUVのすべて」から「トヨタ・ランドクルーザー プラド」の一部を抜粋してご紹介。
レポート=安藤 眞[本文]/塚田勝弘[写真解説] フォト=井上 誠
操舵が軽快なガソリン車と加速力十分なディーゼル車
クロスオーバーSUVが主流の現在にあって、本格クロスカントリー4WDを出自に持つランドクルーザー プラド。その海外仕様は、辺境の地や鉱山などでワークホースとして活躍し、高い信頼を得ている。
シャシーはラダーフレーム構造を採用。ボディの3倍程度の分厚い鋼板で組まれたハシゴ型のフレームの上に、ラバーマウントを介してボディが載せられる。強固なフレームは、岩に乗り上げた程度では音を上げない。カタログ上は同じ最低地上高を持つクロスオーバーSUVとは、現実世界で大きな差となる部分だ。
搭載されるエンジンは、2.7ℓのガソリンエンジンと、2.8ℓのディーゼルターボエンジンの2機種。後者は4.0ℓ V6に替わって2015年6月に搭載された新世代エンジンで、排ガス浄化システムには最も効果の高い尿素SCRを採用した。
ディーゼルエンジンのトルク特性は、比較的フラット。驚くような加速力はないが、必要な速度にはすぐに達してしまう実力を持つ。ガソリンエンジンのパワーは必要十分レベルだが、エンジン重量が軽いため、操縦性能には軽快感がある。
2017年9月に二度目のマイナーチェンジが実施され、フロントマスクを一新。有機的な表情から、シャープな表情へと変貌を遂げた。さらに、運転支援システムはトヨタセーフティセンスPを全車標準装備化し、安全性の向上も実施。最上級の「TZ-G」グレードには、リヤにトルセン式LSDを標準装備化するなど、走行性能の向上も図られた。
1列目は大きく、厚みのあるシートで座り心地は良好。2 列目は座面がややフラットで後傾角が不足気味なので、深く腰掛けるような姿勢にはなりにくい。3 列目は床から座面までが低く、膝を抱えるような姿勢になる。ウォークインは助手席側に用意される。
TZ-G
全長×全幅×全高(㎜):4825×1885×1835
室内長×室内幅×室内高(㎜):2520×1565×1240
ホイールベース(㎜):2790
トレッド(㎜) 前/後:1585/1585
車両重量(㎏):2320
エンジン種類:直列4気筒DOHCディーゼルターボ
総排気量(㏄):2754
最高出力(kW[㎰]/rpm):130[177]/3400
最大トルク(Nm[㎏m]/rpm):450[45.9]/1600-2400
燃料タンク容量(ℓ):87(軽油)
トランスミッション形式:6速AT
駆動方式:4WD
タイヤ・サイズ:265/55R19
最小回転半径(m):5.8
JC08モード燃費(㎞/ℓ):11.2
車両本体価格:536万3280円