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マツダ、Delphix 導入によりシステム開発におけるデータ準備の待ち時間を大幅削減


アシストが提供するデータマネジメントソリューション「Delphix(デルフィックス)」(開発元:Delphix Corp.)が、マツダの開発用データプラットフォームとして導入された。

 発売から四半世紀を経てなお愛され続ける名車「ロードスター」を輩出するマツダは、世界一のクルマを作るための革新的な新世代技術である「SKYACTIV TECHNOLOGY」により、「安全かつ高い走行性能」だけでなく、ユーザーが「走る歓び」を実感できるクルマづくりに挑戦している。新しい技術は、挑戦からしか生まれない、というクルマづくりの信念は、技術的な領域のみならず、企画から生産現場まで会社全体に行き渡っている。




 マツダのITソリューション本部では、新たなIT技術を核とした次世代システムによる経営貢献を実現するため、顧客とのつながりとサプライチェーンを革新するグローバルサプライチェーンの確立や、最新ITを活用した顧客体験サポートの実現に向けての様々な取り組みを行っている。「攻め」のIT施策がある一方で、メインフレームからPCサーバーまで多様なプラットフォームで構成されている既存アプリケーションのインフラ基盤の老朽化対応とアプリケーション刷新を行う「守り」の施策も、企業活動継続のためには避けて通ることはできず、「攻め」と「守り」のIT戦略の両立が必要となっている。




 しかし、これら全ての案件に、限られた人的リソースと従来の開発手法で対応するには限界があり、今までの常識を超えたスピードと効率化を実現するために、考え方やアプローチ、テクノロジーを抜本的に見直した、新たなシステム開発スキームの確立に取り組んでいる。既に設計から作り込みの工程においては、開発プロセスやルールの整備、標準化や共通化など、ある程度の効率化の目途が立っていたが、一方で、テスト 工程の効率化は未着手で、データの準備や、複数の開発者のテストによるデータベース(DB)更新の競合を回避するための調整に多大な工数がかかり、大きなボトルネックとなっていた。




 具体的には、テストデータ準備時、特に単体テストでは同一DBを複数プログラムで利用するため、競合回避のために個別のローカルDBを活用しており、各自DB環境を作成し、データを取り込む必要がある。また、テストデータの取り込み待ち時間は、テストケースに応じて1日に何度も発生するため、無駄な時間が多く発生し、開発要員の多い大規模案件ほどトータルの無駄時間が大きくなる。また、テストケースに応じたテストデータは、現行システムを熟知した担当者が、複数テーブル間のデータの整合性を考慮して作成しており、データ取得や保管も手作業のため、多大な時間がかかっている。テスト実行時においては、最初のテストケースでデータを更新した後で次のテストケースを実行する前にデータを手動で戻す必要があるなど、データの切り戻しが発生する。テストケース数×実行回数でこの作業が発生するため、テスト全体で見ると多くの時間を要していた。




 そこでマツダのITソリューション本部では、アシストから紹介を受けたDelphixが簡単かつ迅速にDBを複製、配布でき、任意の時点の「断面」の取得と、取得した「断面」への巻き戻しが行えることに着目し、テスト局面の効率化に有効ではないかと考えた。テストデータ準備は、個別のローカルDBを作成する方法から、元となるDBから複製機能で人数分作成・配布する方法に変更する。テストデータの作成は、DBの特定のタイミングの「断面」を取得できるため手作業でデータを作成、保管する必要がなくなる。テスト実行時は、繰り返しテストやテストケース切り替えで、データの入れ替えが「断面」への巻き戻しで簡単に行えるようになる。これらの時間短縮効果を合わせ、大幅なテスト期間短縮を見込んだ。




 マツダの IT ソリューション本部では、これら見込効果の事前検証を実施し、想定どおりの効果が得られたことからDelphix導入を決定した。国内の流通におけるITシステムのプロジェクトでDelphixの利用を開始したことに加え、今後数年間にわたり実施されるレガシーシステムのモダナイゼーションプロジェクトでも利用を予定している。

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