いまさらだが、ガソリンスタンド(サービスステーション=SS)を探すとセルフサービス式SSがよく目に付く。給油をユーザーが行うセルフサービス式SSとはいえSS内は無人というわけにはいかず、有資格者が常駐する必要がある。だが、ひとりでやっているわけではなく、数名のスタッフの姿も。給油作業をしないスタッフはどのような業務しているのだろう。
ガソリンスタンド数はピーク時の半分に
総合資源エネルギー調査会・第17回資源・燃料分科会(平成28年5月17日)の説明資料によると、2003年度の合計5万67給油所に対し2014年度は3万3510給油所と、10年で約1万7000ほど給油所は減少しているという。
少子高齢化や燃費向上等によりガソリン需要の減少がその要因。ガソリン需要はさらに今後5年間で11.8%減少すると報告されており、その傾向は続くと見られている。
経済産業省が発表した「平成29年度末揮発油販売業者数及び給油所数」によると、2017年度のSS数は3万747箇所で、2016年度末と比べ720箇所のSSが閉鎖されている。
なお、経済産業省資源エネルギー庁が2018年10月24日に発表した「石油製品価格調査の結果」によると、同年10月22日時点のレギュラーガソリン価格は160.0円と前週比0.4円の値上りとなっている。
ガソリンスタンドからサービスステーションへ
「やはり人件費ですね。あまりガソリンも売れなくなりましたし」というのは、約1ヶ月にわたり店舗を改装しセルフサービス式に変更する都内のフルサービス式SSのスタッフ。ガソリン小売価格が上がったとしても、厳しい経営を強いられている給油所が多いのが現状である。
「洗車もセルフになるんですか」という記事担当者の問いに対し「給油はお客様にしていただきますが、洗車や点検などはこれまで通りですので、ぜひご利用ください」とのこと。
ガソリンスタンド呼ばれていた給油所は、いまではサービスステーションと呼ばれて久しい。経営経済産業省の「平成27年度末揮発油販売業者数及び給油所数をとりまとめました」でも“サービスステーション”という表記がなされている。
年間販売量500kℓ未満の給油所では、ガソリン利益はマイナスという。今後、給油以外のサービス拡充に活路を見出し、よりキメの細かい“サービスステーション”として変貌していくだろう。
記事担当者の個人的な意見だが、フルサービス式でスタッフに給油をお願いするのが割と好きだった。仕事柄、新しいクルマに乗る機会も多く、スタッフの方から「このクルマ、新型ですか?」なんて聞かれると、逆に「どうですか? このクルマ」なんて“市場調査”もできたり、と。
コミュニケーションという意味ではセルフサービス式にちょっとさびしさを感じてしまう。とはいえ、まったく、会話がなにもないというわけではないが。
総合資源エネルギー調査会・第17回資源・燃料分科会(平成28年5月17日)説明資料の題目「石油販売業の課題と生き残り策」ではないが、サービスステーションがもっといろんな意味で“楽しみ”な場所になってくれたらと思う。
