東京ガスエンジニアリングソリューションズ(TGES)とパナソニックは、各出資会社を通してマレーシアにあるパナソニックの工場にて、ガスエンジンコージェネレーションシステムによるエネルギーサービスとノンフロン空調機とを組み合わせた発電・空調システムの運用を開始した。
豊富な天然資源を有するマレーシアでは、工業化の進展とともに、工場をはじめとした大規模施設への空調機の導入が増加するなど今後も旺盛なエネルギー需要が見込まれている。そうした中、より一層環境に配慮したエネルギー供給が求められている。TGESは、東京ガスが出資参画している現地の都市ガス事業会社ガスマレーシア社と合弁で設立したガスマレーシアエネルギーアドバンス社(GMEA社)を通じて、日本で培ったコージェネを核としたエネルギーサービス事業をマレーシアで展開し、省エネルギー化やCO2排出量の削減に貢献している。
一方、パナソニックは空調事業を重点事業と位置付けており、特に業務用空調機器の分野においては、自然冷媒である水が蒸発する際の気化熱を冷房に利用する吸収式冷凍機を使用した空調システムが強みの一つ。水を冷媒に用いたノンフロン空調システム「ナチュラルチラー」は、工場などで発生する蒸気や廃熱の有効利用が可能で環境にもやさしく、1971年の発売以来、高効率化とコンパクト化を進め、公共空間や工場といった大空間を対象に、エコで快適な環境を提供し続けている。
このたび、GMEA社と、マレーシアで空調機器を製造・販売するパナソニックAPエアコンマレーシア(PAPAMY社)は、エネルギーサービスに関する契約を締結し、2018年10月17日より、PAPAMY社の工場で高効率な発電・空調システムの運用を開始した。本システムは、コージェネと廃熱投入型ナチュラルチラー「ジェネリンク」とで構成され、発電時にコージェネから廃出される温水を利用して工場内の冷房を行う。
GMEA社は、PAPAMY社の敷地内に天然ガスを燃料とした2MWのコージェネを設置し、システム設計から施工、燃料調達、設備のメンテナンスまで一括して請け負い、電力と温水を供給する。一方、PAPAMY社は、コージェネの廃温水を熱源として活用し、ジェネリンクを稼働させる。このシステムの導入により、PAPAMY社は、約9%の省エネルギー化を実現し、その結果、約22%のCO2排出量削減を見込んでいる。
今後両社は、PAPAMY社の導入した設備をショウケースとして活用するとともに、クリーンなエネルギーである天然ガスを活用した高効率で環境に配慮したエネルギー供給と快適な空間の提供を通じて、マレーシアをはじめとした東南アジア諸国に貢献していく。
【主要設備概要】
ガスコージェネレーション
・設備能力:発電能力2MW
・備考:GMEA社によるエネルギーサービス
廃熱投入型ナチュラルチラー「ジェネリンク」
・設備能力:630RTx1台
・備考:PAPAMY社による管理
【ガスマレーシアエネルギーアドバンス社の概要】
・会社名:GAS MALAYSIA ENERGY ADVANCE Sdn. Bhd.
・COO:Mohd Shariff Lubis
・設立時期:2014年4月18日
・本社所在地:マレーシア国セランゴール州
・資本金:50百万マレーシアリンギット
・資本構成:TGES:34%、 ガスマレーシア:66%
・事業内容:エネルギーサービス事業
【パナソニックAPエアコン マレーシア株式会社の概要】
・会社名:Panasonic Appliances Air-Conditioning Malaysia Sdn. Bhd.
・社長:岩城 裕之
・設立時期:1972年4月8日
・本社所在地:マレーシア国セランゴール州
・資本金:22.5百万マレーシアリンギット
・資本構成:パナソニック:99.8%、 S.Y.A. HOLDINGS Sdn. Bhd.:0.2%
・事業内容:空調機器の製造・販売