他の編集部員が乗っているMFカジャーを眺めつつ、「早く運転してみたい」と思っていた筆者。ようやくステアリングを握る機会がやってきた。
レポート日:2018年10月1日、10月9日〜10日
オドメーター:9950km
TEXT&PHOTO●松井亜希彦(AKIHIKO Matsui)
仕事柄、さまざまなクルマに乗ってきてはいるのだが、実はカジャーはこれまで触れた経験が完全にゼロ! とはいえちょい乗りするだけではもったいないので、ある程度の距離を走る取材予定とMFカジャーのスケジュールが合う日程をすり合わせ、10月に入ってようやく初ドライブを実現することができた。
長期レポートVol.5を担当した世良耕太氏と同様に、運転する前は「この車格で1.2Lターボだとエンジンが苦しいのかな」と少しは思っていたわけだが、乗ってみて最も驚いたのがパワーフィールである。市街地でも高速道路でも自分としては不満はまったくない。いや、それどころかすごくいい。停止時からの発進でも余裕があり、巡航からの加速時もクルマをなんのストレスもなく押し出してくれる。ドライブフィールだけでエンジンスペックを当てろ、と言われたら自分は確実に大外ししただろう、きっと。
ドライブ初日は少し渋滞した一般道を約60km、流れの良い高速道路を約170km、合計230kmほど走ったが、前述したようにストレスフリーで渋滞も苦にならず。思うにこの好印象は、低・中速トルクが厚いエンジン+DCTの感触が、自分の感覚にピタリとハマったからだと思われる。CVTが嫌いとか、MTでなければ、という好みは自分にはあまりないのだが、トルクの出方が予想より下で思うような加速に少し足りなかったり、ボディの大きさ、重さを感じさせるケースがSUVでは割に多い。これらのモデルもアクセルを踏み増せばいいのだが、カジャーは最初からそんな気にならないほど自然な感触であった。
2度目のドライブは夜間に自宅にカジャーで戻り、翌日早朝に取材に出るという日程で、道路状況や走行距離は偶然にも初日とほぼ同様。季節外れの暑さでエアコンをかなり効かして移動したが、燃費は15km/Lを軽く上回った。ECOモードは使わず、燃費のことは気にしないごく普通のドライブでこの結果。高速道路巡航時の瞬間燃費は19km/Lあたりをキープするのも難しくない。長期レポートVol.2では当サイト編集局長が、都内から長野県のビーナスラインまでを往復して12.6km/Lとなっていたが、道路状況やペースがかなり違うのか……?
というふうに、カジャー初体験の印象はとても良かったのだが、実はコーナリングを楽しむ機会があまりなかった。2回の取材目的地はいずれも北関東で、高速道路、一般道ともにほぼまっすぐの道を延々と走行し、勾配差もほとんどないという行程で、ハンドリングに関しては印象が残らず。次回はワインディングの多い取材に連れ出したい。