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自動車カタログは歴史書「歴代トヨタ・マークⅡ各モデルのカタログを通じて」


初代マークⅡが登場した1968年、奇跡ともいえる戦後復興を遂げ高度経済成長期真っ只中だった日本。当時のカタログを見ると、社会もクルマも元気に満ち溢れた時代だったんだということを垣間見ることができる。ここでは、モーターファンアーカイブに所蔵されている大量のカタログの中から2冊をピックアップしてご紹介。

多くの笑顔で構成された初代コロナ・マークⅡバン

ワゴンを連想させつつも、商用車としてのポジションを明確にアピール。仕事だけでなく、プライベートでも楽しめるモデルとしての新提案がなされてる。

 印象的な初代コロナ・マークⅡバン(1700/1500)のカタログ。1970年のマイナーチェンジ時に発行されたものだが、建設業、運送業、飲食業と、様々な業種に携わる方々の笑顔で構成されている。


 


 本編へと進むと、同じように人々の笑顔の大集合。各エクステリアやインテリア、バンらしく荷室など、笑顔とともに紹介されている。




 キャッチコピーも、 “勢い”を感じさせるものが並んでいた。




・ たとえ定休日でも、車庫に入れておくのが惜しいカッコいいスタイル


・ 仲間5人と食料と山積みの遊び道具と…休日も活躍する大きな荷室


・ お店も仕事も乗る人もひとまわり豊かにする、新《ゆうゆう設計》




まさに“リア充”。仕事もプライベートも満たしてくれる“よき相棒”として、コロナ・マークⅡバンの存在が輝いている。

ギミックを盛り込みエンターテインメント性も加味した二代目

 初代コロナ・マークⅡバン(1700/1500)のカタログは、“笑顔”と“車両”のコラボーレションにより、初代コロナ・マークⅡバンの魅力を余すことなくアピール。作りは簡潔なもので、わかりやすさも特徴のひとつだった。




 それが、1974年のフルモデルチェンジ時のマークⅡバンのカタログでは、ギミックも盛り込まれ、表紙をめくると車両が見開きにてダイナミックに掲載されている。しかし、それだけでは終わらない。分割された部分をめくると車両イラストが目に飛び込んでくる。そのイラストを用いて部位の詳細を記すという演出がなされている。




 後半では、マークⅡバンの各シーンでのイメージをイラストにて表現。使い勝手だけでなく、走行性能についても記載することで、全方位からマークⅡバンの魅力をアピールしている。

商用車ではありながらも、マークⅡセダンの流れを受け継ぐ性能や装備をもつ「2代目マークⅡバン」。
ギミック付き絵本のような凝ったカタログは、その意気込みを表現していたのだろう。


カタログは時代を物語る“歴史書”といっていいのかも

「乗用車に劣らぬ風格。高級レストランへもどうぞ」の文字も踊る。2代目マークⅡバンは、バンながら乗用車としての役回りも担うことができるモデルとして位置付けられていたのだろう。

 紹介した2冊のカタログは、昨今ではリーフレット的ともいえるもの。盛り込まれる内容も必要最小限といったところで、現在、手にするカタログをイメージすると、ページ数も含めて簡素なものという印象。




 だが、楽しそうな写真や遊び心を盛り込むことで、シンプルながら記憶に残るものに。




 今回、「歴代マークⅡ」のすべてを編集するにあたって、モーターファンアーカイブに所蔵される数多くのマークⅡのカタログを目にすることができた。それらを眺めていると、各モデルチェンジ時のカタログは、モデルの変遷だけではなく時代を記録した資料なのではと思わせてくれた。


歴代トヨタ・マークⅡのすべて

日本のお父さんが憧れた、日本的高級車のロングセラー


「トヨペット・コロナ・マークII」時代から眺める、


身の丈フラッグシップの歩み




●歴代チェイサー/クレスタ&ヴェロッサ解説


●こんなマークIIもあった!


 初代から7代目マークII・ボディバリエーション

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