10月2日にパリオートサロンでワールドプレミエを行い、世界中から一堂に注目を浴びた新アウディR8 LMSエボリューションパッケージ。
その興奮冷め止まぬ僅か3日後に、早くもニュルブルクリンク耐久シリーズ(VLN)第8戦でレースに参戦するという噂を聞きつけてニュルへと急いだ。
新R8 LMSエボリューションパッケージは、まだ発売前とのことで既存のGT3マシンが参戦するSP9クラスからはエントリーできない。そのため、テスト車両車が参戦できるSPXクラスからの参戦となった。
ステアリングを担うのは長年アウディワークスドライバーとしてR8を駆り世界中のレースで数多くの勝利に貢献しているクリストファー・ハーゼと、同じくワークスドライバーでDTM(ドイツ ツーリングカー)にRS5を駆り参戦中のジェイミー・グリーンのベテラン2名だ。
カスタマーチームであるカーコレクションからのエントリーだが、アウディスポーツのトップエンジニアらがサポートを担当した。
現行モデルと比べると特にフロントの空力パーツが大きく進化し、その攻撃的な外観は目を見張るものがあり、そのポテンシャルにも注目が集まった。
155台のエントリー中、予選ではいきなりフロントローという成績を叩き出した。まだ発売前の車両がゆえに性能調整なしで挑んだ初レース参戦だったが、総合5位、クラス2位で初レースのチェッカーフラッグを受けた。
ドライブをしたハーゼによると「現行モデルのR8とは全く別物だ」と感想を述べ「ポテンシャルの差をはっきりとドライブフィーリングで実感できる」と、ノルドシュライフェを走る新R8 LMSエボに満足の表情を浮かべる。
気になるスペックはV10、5200㏄、430kw(585馬力)となり、現行モデルよりも最大18kwアップし、車体全長が110mm延長された。
車両本体価格は39万8千ユーロ(約5,174万円)、スターターキットが9千ユーロ(約117万円)+パーツキット3万ユーロ(約390万円)に消費税が加算されるが、全部まとめて購入すると1万500ユーロ(約136万5千円)の割引がされる。
また、現行のR8 LMSに取り付け可能なアップデートキットは2万8千ユーロ(約364万円)+消費税で購入可能だ。
11月より受注順にカスタマーへデリバリーされる。
(文・写真:池ノ内みどり)