N-BOXの登場を機に、大空間を有する軽自動車の競争は年々激化している。機能性はもちろん燃費や安全性まで、もはや普通車さえ凌ぐほどの魅力を持っている。今回はそんな人気ジャンルを築いた王者「ホンダ・N-BOX」と、それを追随する「スズキ・スペーシア」の2台を比べてみた。
「ホンダ・N-BOX」が登場したのは2011年で、現行型は2017年にフルモデルチェンジされた2代目だ。外観は先代との違いが少ないが、中身は別物。プラットフォームを全面刷新することで軽量化と高剛性化を達成したほか、一部グレードに570mmの前後スライドを可能とする助手席スーパースライドシートを備え、さらなる利便性を実現させることに成功した。パワートレーンは自然吸気とターボの2種類。全車にHondaSENSINGを標準装備し、衝突軽減ブレーキや誤発進抑制機能、車線維持支援システムに加えて、車間距離を保ちつつ前車を追従するアダプティブ・クルーズ・コントロールも備わる。
「スズキ・スペーシア」が登場したのは2013年のこと。初代モデルでは「女性の願いを叶える……」を謳っていたが、17年デビューの現行型は「スーツケース」をモチーフにしたデザインで幅広いユーザーをターゲットにする。新プラットフォーム(HEARTECT)の採用による軽量化に加えて、モーターアシストによる燃料削減もあって、燃費は最良で30.0km/L(JC08モード)と「N-BOX」を上回る。カメラとレーザーレーダーで前方状況を確認する安全装備「デュアルセンサーブレーキサポート」が備わる。
まずは、全体のサイズ比較から。
スペーシアカスタム ハイブリッドXSターボ 全長×全幅×全高:3395×1475×1785mm ホイールベース:2460mm ミラーtoミラー:1845mm
スペーシアカスタム ハイブリッドXSターボ
全長×全幅×全高:3395×1475×1785mm
ホイールベース:2460mm
車重:900kg
エンジン:直列3気筒DOHCターボ
最高出力:64ps(47kW)/6000rpm
最大トルク:98Nm(10.0kgm)/3000rpm
トランスミッション:CVT
駆動方式:FF
最小回転半径:4.6m
JC08モード燃費:25.6km/ℓ
車両本体価格:178万7400円
N-BOXカスタム G・Lターボ ホンダセンシング 全長×全幅×全高:3395×1475×1790mm ホイールベース:2520mm ミラーtoミラー:1820mm
N-BOXカスタム G・Lターボ ホンダセンシング
全長×全幅×全高:3395×1475×1790mm
ホイールベース:2520mm
車重:930kg
エンジン:直列3気筒DOHCターボ
最高出力:64ps(47kW)/6000rpm
最大トルク:104Nm(10.6kgm)/2600rpm
トランスミッション:CVT
駆動方式:FF
最小回転半径:4.7m
JC08モード燃費:25.0km/ℓ
車両本体価格:189万5400円
ラゲッジスペース比較の前に、インパネと前席・後席も比べてみよう。
スペーシアカスタム ハイブリッドXSターボ 室内長×室内幅×室内高:2155×1345×1410mm
N-BOXカスタム G・Lターボ ホンダセンシング 室内長×室内幅×室内高:2240×1350×1400mm
スペーシアカスタム ハイブリッドXSターボ
後席の左右独立スライド機構により、奥行きは最大520mmまで拡大できる。ワンタッチで格納も可能だ。背もたれを倒した状態でスライドすると、床面長は1060〜1260mmの間で調整できる。
N-BOXカスタム G・Lターボ ホンダセンシング
後席には座面のチップアップとダイブダウン機構のほか、5対5分割のスライドと3段階リクライニング機構を装備。最大奥行きは1500mmと広く、床面長は1240〜1420mmで調整可能だ。