人も荷物もたくさん載せられる広々空間が魅力のミニバン。その実用性に加えて、ハイブリッドによる低燃費も当たり前となっている。とはいえ、「ハイブリッドは室内空間が犠牲になるのでは?」と思っている人もいるのでは? ここでは、それらに加えて先進安全装備も魅力の「日産・セレナe-POWER」と「ホンダ・ステップワゴンスパーダハイブリッド」を比べてみた。
1991年に初代モデルが登場したセレナ。現行型は2016年にデビューし、通算で5代目となる。ミニバンの誇る広々空間はそのままに、テールゲートのウィンドウ部分だけ開けられる機構のように利便性を高める工夫が施された。さらに、高速道路での巡航や渋滞で役立つプロパイロットの搭載や、18年2月にはe-POWERを追加したことも話題を呼んだ。ちなみに、e-POWERでは走行のすべてをモーターが担当し、エンジンは発電に徹する。ガソリン車を上回るスムーズな走りは爽快のひと言。
ステップワゴンも初代の登場は96年と古く、現行型は2015年にデビュー。通算で5代目となる。同車の特徴が、わくわくゲートと称するユニークなテールゲートだ。上下方向だけでなく横方向への開閉を可能とし、荷物の積み込みはもちろん、人の乗り降りもできる。パワートレーンは1.5Lターボと2.0Lハイブリッドを用意。後者も走行のほとんどをモーターが担い、燃費は25.0km/L(JC08モード)を誇る。安全装備はHondaSENSINGを標準装備し、自動ブレーキはもちろん、高速道路での巡航や渋滞時のサポートもこなす。
まずは、全体のサイズ比較から。
セレナe-POWER 全長×全幅×全高:4770×1740×1865mm ホイールベース:2860mm ミラーtoミラー:2080mm
セレナe-POWER
全長×全幅×全高:4770×1740×1865mm
ホイールベース:2860mm
車重:1760kg
エンジン:直列3気筒DOHC
最高出力:84ps(62kW)/6000rpm
最大トルク:103Nm(10.5kgm)/3200-5200rpm
トランスミッション:—
駆動方式:FF
最小回転半径:5.5m
JC08モード燃費:26.2km/ℓ
車両本体価格:340万4160円
ステップワゴンスパーダ 全長×全幅×全高:4760×1695×1840mm ホイールベース:2890mm ミラーtoミラー:2010mm
ステップワゴンスパーダ
全長×全幅×全高:4760×1695×1840mm
ホイールベース:2890mm
車重:1820kg
エンジン:直列4気筒DOHC
最高出力:184ps(135kW)/5000-6000rpm
最大トルク:315Nm(32.1kgm)/0-2000rpm
トランスミッション:電気式無段階変速機
駆動方式:FF
最小回転半径:5.4m
JC08モード燃費:25.0km/ℓ
車両本体価格:355万9680円
ラゲッジスペース比較の前に、インパネと前席・後席も比べてみよう。
セレナe-POWER 室内長×室内幅×室内高:3240×1545×1400mm
ステップワゴンスパーダ 室内長×室内幅×室内高:3220×1500×1405mm
セレナe-POWER
「XV」と「Highway STAR V」の3列目シートにはスライド機構も標準装備。シートを支えるステーの位置は変わらないが、シート位置を前に移動させられるので、3列目に人が座れる状態のまま荷室の奥行きを広げることができる。また、左右跳ね上げ式の格納機構も採用。簡単な操作でシート全体を壁側に跳ね上げることが可能だ。リヤサイドウインドウを完全に塞いでしまわないよう低い位置に格納されるため、運転中の斜め後方視界も確保することができる。フロア手前側の大きな床下収納も便利だ。
ステップワゴンスパーダ
3列目シートの格納方法は床下格納式を採用。とても簡単な操作で左右分割して格納できるため、乗車人数や荷物の量に応じて手軽に荷室をアレンジできる。もちろんリヤサイドウインドウを塞ぐことはないため、斜め後方視界が遮られる心配もない。ただし、3列目席を格納する時には、取りも直さず床下がシートで埋まってしまうため、そこを収納スペースとして活用することはできない。スライド機構も装備されていないため、3列目席に人が座れる状態で荷室の奥行きを拡大することも不可能だ。