アドレスV125/Sシリーズの後継モデルとして、2018年に登場したスズキ・スウィッシュ。ホンダやヤマハといった他社のライバルスクーターは12インチや14インチのタイヤを採用するケースが多いなか、このスウィッシュは10インチ。一体何故なのか? スウィッシュにまつわる疑問を、開発陣営に聞いてみた。
REPORT:ケニー佐川(SAGAWA Kentaro)
PHOTO:渡辺昌彦(WATANABE Masahiko)
スズキ・スウィッシュ……318,600円
「10インチの優位性に真正面から取り組みました」(守谷安則チーフエンジニア)
スウィッシュの名前の由来は?
—守谷:スウィッシュとは「シュッ、ササッ」など英語で素早い身のこなしを意味する擬態語で、スタイリッシュな雰囲気もあるようです。
大径タイヤが主流の昨今、あえて前後10インチを採用したのは?
—守谷:原2スクーターの約5割が通勤・通学に使われているというデータに我々は着目し、使い勝手や使い回しの良さを優先した結果、このサイズが最適と判断しました。過去に10インチのアドレスV125で高速域の安定性がもっと欲しいという声が聞かれたため、この点をより改善・進化させました。
具体的にはどんな工夫を?
—成田:主に6つのポイントがあります。まずフロントを100サイズにワイド化し、ジャイロ効果による安定感を増やすとともに接地感とグリップ力を向上させました。合わせてフロントフォーク径もスズキの125ccスクータークラスで最も太いφ33mmを採用しオイル量と剛性をアップ、しっとりとした乗り心地とともにカチッとした作動フィールを実現しています。またリヤサスも複筒式オイルダンパーを備えた2本ショックとすることでコーナーの安定感や高速安定性を確保。さらにフレームの強化や車体ディメンションの最適化、そして燃料タンクをフロアボード下にレイアウトすることで低重心化を図るなどにより軽快かつ安定感のあるハンドリングを実現しました。「狙って作った10インチ」であることを感じていただきたいですね。
エンジン開発はどこに力点を?
福田:街中をキビキビと走るスポーティな乗り味を目指して、より低速トルク型で加速力に優れる特性に仕上がっています。最新の解析技術を使って燃焼室形状を最適化し、バナナ形状の呼気ポートやM字型のスキッシュエリアにすることで、燃焼効率を向上。バルブの軽量化やロッカーアームのフリクションロス低減とともに排気系やCVT設定も見直すことで、従来のアドレスシリーズを上回る加速性能を実現しました。
インタビュアー:ケニー佐川
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