川崎重工は、5MW級の純国産高効率ガスタービン「M5A」を用いたコージェネレーション(熱電併給)システムの初号機を、イビデン株式会社の大垣事業場(岐阜県大垣市)に納入した。2018年7月から運用を開始し、同事業場内で使用される電気および蒸気を供給する。
5MW級の純国産高効率ガスタービンのM5Aの発電効率は、5MW級ガスタービンでは世界最高の32.6%で、同機を用いたPUC50Dコージェネレーションシステムの総合効率はクラス世界最高の84.5%を達成している。この優れた効率により、エネルギーコストの低減とCO₂排出量の削減を実現する。
また、環境性能においても、最新のドライ低エミッション(DLE)技術により、窒素酸化物(NOx)排出量は52.5ppm(O2=0%)を達成している。さらにメンテナンス性では、オーバーホール交換作業の効率化を図り、中間点検を簡易点検(ボアスコープ点検)とすることで、年間稼働時間を向上させている。
M5Aは、川崎重工が長年培ってきた中小型ガスタービンの開発技術を結集して自社開発したもので、17年11月に全世界に向けて販売を開始した。全世界で累計1万1000台以上の納入実績がある発電用ガスタービンの開発経験や実績をベースに最新の技術を投入し、信頼性を確保している。国内外で特に需要の多い5MW級の市場で、トップクラスの性能を有するM5Aは多くの需要が見込まれる。
エネルギーへの関心は世界各地で高まっており、なかでもガスタービンを用いたコージェネレーションシステムは、効率面や環境面から高い注目を集めている。川崎重工は、今後も日本をはじめ、欧州、アジアの各現地販売拠点を活用し、エネルギー関連事業をグローバルに展開していくという。