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ドイツ車のCセグ・ハッチバックの本命! 新型メルセデス・ベンツAクラスは大ヒットの予感


「モダン・ラグジュアリー」を標榜する4代目の新型Aクラスが登場した。アルミと高張力鋼板を多用した最新プラットフォーム「MFA-II」は、新型Aクラスにどのような走りの実力をもたらしているのだろうか? 今年末か来年初頭に登場する本命Cセグメントハッチバックの走りを今一度振り返る。




REPORT◎渡辺敏史(WATANABE Toshifumi)


PHOTO◎Daimler AG

 従来のサンドイッチ構造となるFFアーキテクチャーを改め、コンベンショナルなMFA1アーキテクチャーを軸にFFモデルの多車種展開を掲げたメルセデス。その中軸となった先代Aクラスは一定の成功を収め、200万台超というダイムラーの年間販売台数のビジョンにも大きな貢献を果たした。

 新型AクラスのMFA2アーキテクチャーはその経験を踏まえただけでなく、業務提携先であるルノー日産との生産合理性も織り込まれて改善された。リヤサスは従来のマルチリンクに加えて新たにトーションビームも開発されたが、これは単に廉価版用というわけではなく、近い将来の電動化に備えバッテリー等の搭載スペースを稼ぎ出すためにも必須の開発メニューだったといえる。


 


 モノコックはアルミやハイテンスチールなどの材料置換を進め静的捻り剛性は先代比で30%の向上、全幅は1800mmに収められるが全長やホイールベースは若干伸ばされており、その余幅は室内空間や荷室容量にもしっかり反映されている。ピラー形状や配置の工夫による死角の低減も新型Aクラスのポイントだ。

注目すべきは初搭載となる「MBUX」だ。AIを活用した技術で、オーディオやエアコンなどの機能を音声により操作できる。

 運転支援システムはEクラスにも比肩する最新世代のものに改められたのに加え、新型Aクラスはメルセデス初となるMBUXを搭載、インフォテインメント周りのインターフェイスを刷新した。これは単なるボイスコントロールというだけではなくクラウド経由で独自生成のAIと接続されたもので、例えるならSiriやAlexaのような確実性と柔軟性を備えたやり取りが可能となる。そこで培われたパーソナルデータはもちろん移行が可能で、乗り換えの際にメルセデスを選べば愛着のある環境がそのまま活きることになる……と、これは利便性に加えて一種の顧客囲い込みも狙った新しい試みとなることは想像に難くない。

シートの厚みも充分。長距離ドライブでも疲労は少ないだろう。
ボディサイズの拡大により、車内の居住区間は先代に比べより広く、快適に進化を果たしている。


 新型Aクラスの走りは先代の特徴だったスポーティネスは陰ることなく、快適性の側のポテンシャルを一気に高めている。中でも特筆すべきは静粛性の高さだ。この点は開発陣も先代のウィークポイントと認識し相当手を入れたそうだが、内装の質感も手伝って常速域での上質感はマイナーチェンジ前のCクラスをも食ってしまいそうなところに達している。


 


 同時に触れておくべきは乗り心地の改善だろう。従来のドライなフィードバックは微塵もなく、細かな凹凸は綺麗に丸め大きなロールやバウンドでもだらしなく車体を上下させることはない。高速域での体感的なスタビリティも含め、これならメルセデスらしいライドフィール……と称せるところに達している。

「A250」には224psを発生する2.0L直列4気筒ターボを搭載する。エントリーモデルの「A200」はルノーと共同開発した163psを発生する「M282型」1.3L直4ターボを積む。

 MBUXのローカライズの都合もあり、新型Aクラスの発売は来年前半が見込まれる。先は長いが新型は待つ価値があることは間違いない。




※本記事は『GENROQ』2018年7月号の記事を再編集・転載したものです。

SPECIFICATIONS


メルセデス・ベンツA250エディション1<A200>


■ボディサイズ:全長4419×全幅1796×全高1445<1440>㎜ ホイールベース:2729㎜ トレッド:F1567 R1567<1547>mm ■車両重量:1455<1375>㎏ ■エンジン:直列4気筒DOHCターボ 総排気量:1991<1332>cc 最高出力:165kW(224ps)/5500rpm<120kW(163ps)/5500rpm> 最大トルク:350Nm(35.7㎏m)/1800rpm<250Nm(25.5kgm)/1620rpm> ■トランスミッション:7速DCT ■駆動方式:FWD ■サスペンション形式:FマクファーソンストラットR4リンク<トーションビーム> ■ブレーキ:FベンチレーテッドディスクRディスク ■タイヤサイズ(リム幅):F&R205/55R17(6.5J)<205/60R16(6.5J)> ■パフォーマンス 最高速度:250<225>km/h 0→100km/h加速:6.2<8.0>秒 ■環境性能(EU複合モード) CO2排出量:149〜141<128〜120>g/km 燃料消費率:6.5〜6.2<5.5〜5.2>L/100km 
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