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名車再考 いすゞ・ベレットGTR Chapter1 実車確認 日本を代表する名車をディテールまで撮り下ろし


 ベレットが発売されたのは1963年。当初は4ドアのセダンのみだったが、翌64年に1600GTを発売。流麗なスタイリングだけでなく、4輪独立懸架などが生む走りの性能の高さで高い人気を呼び、モータースポーツでも大活躍した。


 そんなベレットGTに、1969年、117クーペに搭載されていた1600ccのDOHCエンジンを搭載したGTRが追加された。(撮影車輛は70年式)トヨタ1600GTや、やはり同年に登場したスカイラインGT-Rなどと共に、旧き良き日本のスポーツマシンを代表する存在だ。


 またベレットGTRというとツヤ消しブラック塗装されたボンネットとボディサイドのストライプが有名だが、標準塗装を選択することも可能だった。今回の撮影車輛はその標準塗装仕様だ。

ツヤ消しブラック塗装が施された砲弾型フェンダーミラー。接触時には根元から倒れるようになっている。

チェッカーフラッグをあしらったGTR専用エンブレム。これを見てもわかるように、エンブレムには「type R」と表記されている。

G161WKエンジンは117クーペに搭載されていたもの。5ベアリング支持のカムシャフトはチェーン駆動で、吸排気ひとつずつの2バルブ。1584ccの排気量から120ps/6400rpm、14.5kgm/5000rpmを発揮する。0-400m加速のカタログ値は16.6秒だが、本誌ロードテストではそれを上回る16.4秒を記録。いすゞが初めて製作したプロトタイプレーシングカーのベレットR6には、ドライサンプ化するなどの改良を施したこのエンジンをミッドシップに搭載した。

ホイールはスチール製で、GTRはリムにめっきを施してある。ブレーキはフロントが2ポッドの対向ディスク。
タイヤはラジアルが標準で、サイズは165HR13だった(撮影車輛は175/70R13を装着)。リヤブレーキはアルミフィンドラム。


リヤのサイドウインドウは、前側を軸にして開けることができる。クーラーの設定がないため、フロントの三角窓と共に夏は重宝した。

伸縮式のルーフアンテナは角度も変えることができる。

右リヤフェンダーのフューエルリッドはキーで脱着する。このカバーがキャップを兼ねており、開けるといきなり給油口が出現する。

シンプルな作りのインパネは、外観と同様に男臭さ満点。ステアリングは本革巻きで、何種類も試作して決定したと座談会で述べられている。

正面右には220km/hスケールのスピードメーター、左には5850rpmからイエロー、6500rpmからレッドとなるタコメーターを配置。最高出力回転は6400rpmだから、すでにイエローゾーンに入っていることになる。一番左は油圧計だ。メーターには「YAZAKI」とサプライヤーである矢崎総業の名が刻まれる。中央グリーンのランプはウインカーパイロットランプで、右側と左側の区別はない。
センターコンソール上部の3連メーターは右から水温系、電圧計、燃料計。その下のスイッチは右からヘッドランプ、スモールランプ、ワイパー、ウインドウウォッシャー。


ヒーターレバーの左はフォグランプスイッチ、右はリヤデフォッガー。アナログ時計の両脇はシガーライターとチョークだ。ラジオは現代のものに交換されている。高級感溢れるウッド製のギヤノブだが、ギヤは4段。Rは左側手前だ。
グローブボックスだけでなく下側に大型のトレーを備える。グローブボックスの蓋裏はドリンクを置けるようになっているが、もちろん使えるのは停車中のみ。


オルガン式アクセルペダルと、小さめのブレーキ&クラッチペダ ル。座談会で指摘されているように、ステアリングシャフトがクラッチペダルの左側を通っている。

ヘッドレスト一体型のバケットシートは、120mmのスライドと10段階のリクライニングが可能。その座り心地は、座談会でも高い評価を受けている。この車両は表皮を本革に張り替えている。

ベレットGTRの外観上の最大の特徴である丸形の大きなフォグランプは、左右に太いスチールバーを通しその上に装着。70度の照射角度と24mの照射距離というスペックを持つ。

エンブレムの丸い部分のマークは、ISUZUのIをデザインしたもの。ただ、「ブタ鼻」と呼ばれるなど評判はあまりよろしくなく、わずかな車種に採用されただけでお蔵入りとなってしまった。

ボンネットのダクトは、GTR専用装備。ただし本当に空いているのは右側だけで、左側はダミー。

四角いランプユニットをパネルの上に3つ並べたテールランプ。ベレットのテールランプはいくつかの種類があり、当初はおむすびのような三角形、GTファストバックは丸型3連となっている。

内張りがないので意外と広いラゲッジルーム。トランクリッドのヒンジがボディの外側に出っ張っているのは、さすがに発売当時の1969年でもやや古くさく、設計年次の古さを感じさせる。


福野礼一郎のクルマ論評3

『福野礼一郎のクルマ論評2014』『福野礼一郎のクルマ論評2』に続く単行本第三弾。今回は、14台のクルマ論評に加えて、モーターファン・ロードテストの5台(トヨタ2000GT、マツダ・コスモスポーツ、日産スカイラインGT-R(KPGC10)、日産フェアレディZ432、いすゞベレットGTR)を現代の視点で掘り下げる座談会も収録。スペシャルコンテンツとして、「福野礼一郎選定 項目別ベストワースト2018」も掲載しています。

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