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嗚呼、楽しきかな中古車ライフ 第9回:コイツは時代の20年先を行っていた!! EK10マーチスーパーターボ編(その4)


パーツ移植がおわり、無事に車検も取って乗り始めた4号機。MSGアクティブでのボディ補強と、アンクル小山が最終的なセッティングを出してくれた全長調整式車高調、『碓氷SPLⅡ』のおかげで街乗りは快適、攻めても応えてくれる満足度の高い1台に仕上がった。




さらに、運転席、助手席ともにシートレールを加工してBNR32純正シートを装着したり、またまたリヤフェンダーをツメをハンマーで折り曲げ、本来はロードスター用と思われる6.5J×14オフセット+30のRSワタナベRSエイトを組んでネオバを履かせたり…と、オレなりのモディファイを施しつつ、他とは違うマーチスーパーターボを組み上げていった。




まぁ気分も調子もよく、毎日の通勤に遠方への取材にと乗り倒していたんだけど、そのうち3速へのシフトチェンジ時にギヤが引っかかるようになってきた。シンクロの摩耗だろうか。しばらくはいつも以上に丁寧にエンジン回転を合わせて、場合によってはダブルクラッチを使ってと騙しだまし乗っていたけど、普段乗りで気を遣うのはヤダ! と思ってマルホランドにミッションのオーバーホールを依頼することに。




ミッションを降ろしてバラしてみると、やっぱり3速のシンクロがヘタってたんで交換。さらに、「どうせミッション降ろしたんだからクラッチも交換しとく?」ってことで、マルホランドオリジナルのメタルディスクを入れることにした。




このディスク、CG13を載せるK11マーチ1.3ℓモデル用としてラインアップされてたものだけど、実はEK10とK11の1.3ℓモデルはミッション(=メインシャフトのスプライン)が共通だから、流用できてしまうのだ。なもんで、マルホランドが製作したK11サーキット仕様なんかには、EK10マーチR用の純正クロスミッションをよく載せてたっけ。




イナーシャを低減する3枚羽根タイプのディスクで、ミート時の衝撃を緩和するダンパー機能もナシ。カツッとつながるメタルタイプゆえ半クラッチの操作性がややシビアになったけど、それはゼロ発進時のみ気を遣うことであって、走り出しちゃえばシフトチェンジがスパッ! と決まるようになったんで、走りがさらに楽しくなったわけだ。ちなみにクラッチカバーは純正のままだったから、ペダル踏力はノーマルと変わらずだった。

オリジナルマフラーを製作する!

製作は現車合わせが基本。ハス切りしたステンレスパイプを組み合わせることで曲り部分をつくる。製品だったらベンダーを使ってキレイに曲げるんだろうけど、自分で作るのが楽しくてやってるんだからコレでよし(笑)!
自分でやってみてわかったのが溶接のむずかしさ。バチバチッとやる時間が短ければしっかり付かないし、長ければ母材を溶かしてしまうことに…。でも、やってるうちに最適な時間が音で分かるようになってくるのだ!


装着されていたマフラーを参考に大まかなパイプレイアウトを確かめたら、あとは作業を進めながら随時、現車合わせで不具合がないかを確認していく。自らの手で作業していることが、カタチになっていくのは面白い!

現状に満足しつつも、「なんかイジリたいよなぁ~」と常々思ってるクルマ好きは決して少なくないと思うし、オレもそんなひとり。




ミッションオーバーホール&クラッチ交換を済ませた後、MSGアクティブに遊びに行った時、ゴッズ中村から言われたのが「ステンレスパイプあるから、自分でマフラーでもつくってみるか?」ってことだった。




お、それ面白そう(笑)!




溶接作業はそれまでに何度かしたことがあったから、なんとなくコツはわかってる…つもり。あとはチャレンジしてみるだけだ。




すでに装着されてたHKS改マフラーのレイアウトを参考にステンレスパイプをカットして、曲げ部分はハス切りしたものを組み合わせて点付け溶接で仮組み。リフトアップしたEK10に実際合わせてみて、フロアやリヤサスとの干渉がないか? ステーはどのへんに付けたらいいか? などを確認して、本溶接を行なっていく。




にしても溶接はむずかしい。




作業完了! と思って、つくり上げたマフラーメインパイプの一方をガムテープで塞ぎ、もう一方から水を入れたら…至るところからピューピューと水が漏れてるではないか! ようするに、そこにすき間があってちゃんと溶接されてないってことだ。そこを1ヵ所ずつ修正していってメインパイプが完成した時、日はとっぷりと暮れていた(笑)。




この時、オレは思った。




間隔が一定で流れるような溶接跡。あれは熟練の職人芸で、その域に達するのは至難の業だ、と。

なんかエンジンの調子がオカシイ…!?

サイドスカートに東洋ドライルーブのフリクション低減加工を施した純正ピストン。焼付けされたギザギザの模様それ自体が摺動抵抗を減らし、同時にそれらの間のオイル保持性も高める。

マフラーからかすかにオイルを吐いてるし、高回転域のパワー感もイマイチ。ミッションもボディも足回りも絶好調なのに、肝心のエンジンが調子悪くちゃどうしようもない。というわけで、オレはエンジンのオーバーホールをお願いするため、再びマルホランドに駆け込んだ。




といっても、パワーアップを伴うハードなチューニングを行なうわけでなく、いつでも調子よく乗れる状態にしたいというのがオレのリクエスト。マルホランド倉本さんと話をして、「だったら、純正パーツをバランス取りして組みましょう」ということになった。てか、それ以前にMA09ERTのチューニングパーツなんてないし(笑)。




エンジンをバラすと、クランクシャフトとコンロッドは問題なかったため、そのまま再利用。ピストンとピストンリングは新品に交換することになった。




で、ピストンはゴッズ中村経由で東洋ドライルーブに送り、サイドスカート部にフリクション低減のための加工を実施。インジェクターはザウルスにて、ASNUを使っての燃料噴射量測定と洗浄をお願いした。




さらに、かつてマーチRでラリーを戦っていたゴッズ中村からガスケット類一式と、ユニシアジェックス製グループA ECUを授かっていたため、今回のエンジンオーバーホールにそれらを投入。




特にヘッドガスケットは当時、特注してもらったというメタルタイプで、長年マーチレースに携わってきたマルホランド倉本さんが「このガスケットはお金がかかってるねぇ」と言ったほどのモノだったりする。




3週間ほどでオーバーホール作業が終わり、EK10がオレの手元に帰ってきた。慣らし運転をしてる時でさえ、それまでとは比べものにならないほどのスムーズなエンジン回転の上昇を体感。1000km走ってエンジンオイルと同時に、ECUもユニシアジェックス製グループA用に交換した。




このECUってのがまたスゴくて、スピードリミッターが解除されてるのは当然、なんとレブリミッターもナシ。5000rpmからのパワー感がノーマルとはまるで違って、8000rpmまでの吹け上がりが圧倒的に速いのだ。




さらに、前期マーチR用ECUをベースにしているからか、アクセルオフしても3秒間はスーパーチャージャーが回り続け(スーパーターボ純正はアクセルオフと同時にスーパーチャージャーのクラッチが切れる)、再度アクセルを踏み込んだ時のレスポンスも格段にイイ!




かくして、オレのEK10はひとまず完成の域に達したのだった。




以下、チューニング&モディファイ内容。




・スポット増し打ち&ワンオフ補強バーによるボディ補強/MSGアクティブ


・全長調整式車高調整 碓氷SPLⅡ/アンクル小山


・RSワタナベRSエイト(6.5J×14オフセット+30)


・アドバンネオバ(175/60R14)


・ミッションO/H&クラッチディスク交換/マルホランド


・エンジンO/H&バランス取り/マルホランド


・ユニシアジェックス製グループA ECU


・HKS改マフラー&ワンオフマフラー


・RNN14ブレーキキャリパー&ローター移植


・BNR32純正シート装着/MSGアクティブ


・アンダーコート剥がし


・左フォグランプレス




7万5000円で引っぱってきたEK10に、なんだかんだで100万円くらい突っ込んだんだけど、オレは大満足!!




だって、いつでも「乗って楽しい!!」と思える1台に仕上がったんだから。




つうわけで、次回『マーチスーパーターボ編』の最終回を予定。




コイツが「時代の20年先を行っていた」、その理由を語りたい。

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ManiaxCars Vol.01

変態グルマファン必見の『ManiaxCars』。


季刊化創刊第1号は『バブルマツダ』の特集だ。


もはや絶滅の危機に瀕してるクレフやクロノスも徹底取材。


「今どきのクルマ雑誌は刺激が足りない…」と思ってるひとにこそ、


ぜひとも手に取ってもらいたいと強う思う。


ちなみにVol.02は8月31日発売。


ミツビシ特集なんで、お楽しみにぃ~!

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