ボルグワーナーは、北米の大手自動車メーカー製の自動車向けに、ハイブリッド車用およびプラグインハイブリッド車用に開発した革新的な排熱回収システムの生産を2018年より開始する。同社の技術は、通常は排気管を通して排出される排ガスの熱を利用し、エンジン暖機時間を短縮して効率を高め、燃費を大きく向上させ、ガス排出量を大幅に低減する。このコスト効率に優れたソリューションは、コンパクトかつ軽量であるため、既存の車両に容易に導入できる。
ボルグワーナーは、排気再循環(EGR)システムと排熱リカバリーシステム(WHRS)を組み合わせ、EGRクーラーやバルブなどの熱伝達や排ガス後処理技術における広範な経験を活用し、卓越したソリューションを提供できる。
今回の排熱回収システム(EHRS)は、排気内に蓄えられたエネルギーを使用することによって機械損失を低減する。エンジンのコールドスタートの間、バルブが排ガスの流れを制御して熱交換器に誘導し、そこで排ガスの熱エネルギーが自動車のサブシステムにある流体を加熱する。それによってエンジン暖機が早まり、ガス排出量が低減され、燃費効率が改善する。ボルグワーナーの低圧EGRバルブは、燃焼室内の温度を正確に制御し、エンジン効率と燃焼タイミングを改善する。さらにこの技術によって、一酸化炭素(CO)窒素酸化物(NOx)、粒子状物質(PM)が低減される。
ボルグワーナーのエミッションおよびサーマルシステムズの社長兼事業本部長のジョー・ファドゥール氏(Jop Fadool)は、「冷間始動時のエンジンが最適な運転温度に達するまでの間は、燃費効率は極めて低く、ガス排出量レベルは高くなるため、今後の排出ガス規制をクリアする上での課題のひとつとなっています。当社のEHRSはエンジン暖機時間を最小限に抑え、世界各国の自動車メーカーが新たな厳しい規制を遵守する上で役立つソリューションです。当社はEHRSによって、ガス排出量を低減する高効率ソリューションに対する需要の高まりに応え、クリーンテクノロジーのリーディングサプライヤーとしての位置付けを強化します」と述べている。