世界的な化学会社であるドイツのサプライヤー、BASFは、中国のEV新興企業であるNIO社の電気SUV、ES8に塗料の面から貢献している。
NIOは、中国でテスラの最大のライバルになるのでは、と目されている2014年に設立された中国もEVベンチャーだ。
BASFは、中国に本社を置く多国籍電気自動車企業、NIO社の高性能電気SUV(スポーツ用多目的車)であるES8の印象的な外観と優れた性能の実現に、塗料ソリューションを通じて貢献してきた。7人乗りの電気SUV、ES8では、表面の前処理やすべての塗膜層にBASFの塗料ソリューションが使用されており、BASFの水性塗料テクノロジーや、シェメタルブランドのOxsilanが採用されている。Oxsilanは金属を保護し、水系塗料に適した高度な薄膜テクノロジーである。
BASF上海 コーティングス事業本部バイスプレジデントおよびジェネラルマネージャーのニルス・レスマンは、次のように述べている。
「塗料は視覚面で車両の第一印象を生み出します。塗料は車両独自のスタイルに欠かせない要素ですが、同時に車両の性能を保護し、向上させる役割も担っています。電気自動車の塗料には、その双方における独自の専門性が必要であり、BASFは次世代の自動車開発への期待に応えるソリューションを提供しています。例えば、NIOに提供している前処理材料やコーティング材料は、ES8のオールアルミ製ボディに合わせてカスタマイズされ、軽量化と走行距離の最大化 に貢献しています。戦略的パートナーとして、私たちはドイツに拠点を置くNIOのデザインチームとES8のデザインや開発プロセス、さらには中国における生産開発において連携してきました。当社のグローバルキーアカウントチームの体制により、ドイツ・ミュンスターのBASFオートモーティブカラーデザインチームを介し、直接デザインサポートを提供できました。その後、中国の現地チームに共同開発のアプローチが引き継がれ、ローカライズが行なわれました」
ブルームバーグ ニューエナジーファイナンスが先日発行したレポートによると、電気自動車およびプラグインハイブリッドの世界販売台数は、2017年に110万台だったものが、2025年には1,100万台に達すると予想されている。この成長は主に中国での高い需要が後押しすると見られている。電気自動車市場も、都市部の公害を減らし、充電インフラストラクチャーのアクセシビリティを拡大する中国政府の取り組みによって加速している。
レスマンは、
「長い走行距離を備えたスマートな電気自動車モデルに対する自動車メーカーからの需要が増えるなか、私たちはお客様の成長をサポートし、中国の自動車市場の発展に積極的な役割を果たしています。上海の最先端自動車塗料工場も、厳しい排出量規制を満たす革新的かつ持続可能な塗料ソリューションに対する業界からの需要増大に対処していきます」
と述べている。
ES8は中国・合肥の製造拠点にあるNIOの世界クラスの完全自動化工場で生産されている。NIOの創業者であり、会長兼最高経営責任者のウィリアム・リー氏は、次のように述べた。
「より多くの人が、スマートな電気自動車に関心を持ってくれることを期待しています。最先端の製品やサービスを提供することで、青空を取り戻すという当社の企業構想を実現できるでしょう」