スバルと米国ベル・ヘリコプター・テキストロン社は、イギリスのファンボロー空港で開催中の「ファンボロー国際航空ショー」において、陸上自衛隊向け新多用途ヘリコプター(UH-X)のプラットフォームであり、2018年7月に型式証明を取得した民間向け最新型ヘリコプター「SUBARU BELL 412EPX」(以下412EPX)型機での事業協力を発表した。
412EPXは、これまで412型機の多用途性や信頼性に対する高い評価を維持しながら、さらに能力を向上させた機体である。
ベル社社長兼CEOのミッチ・スナイダー氏は
「60年前に陸上自衛隊に最初にヘリコプターを納入して以来、ベル社とスバルは長年のパートナーであり、UH-Xおよび412EPXでもこの素晴らしい関係が継続、発展することを期待しています」
と述べている。
のスバル航空宇宙カンパニープレジデントの戸塚正一郎氏は、
「ベル社と協力のもと、412EPXをもって当社の民間機ビジネスを大いに発展させていきたい」
とコメントした。
UH-XはUH-1Jの後継機として、2022年より陸上自衛隊向けに納入が開始される予定で、離島防衛や災害救助における活躍が期待されている。今後20年間で約150機が防衛省に納入される予定だ。
412EPXは、メイン・ローター・ギヤボックスの強化、ドライラン能力(メイン・ローター・ギヤボックス内の潤滑油が抜けた状態で、30分間の飛行継続が可能な能力)の向上、最大全備重量(規定内の搭載物をすべて搭載したときの総重量)を12200ポンド(約5500kg)まで増加、マスト・トルク出力向上11%(飛行速度60ノット[約111km/h]以下)等の性能改良によって、運航される顧客にさらなる輸送能力と運航効率の向上を提供する。
412EPXは、スバルとベル社から世界の顧客に向けて提供していく予定だ。また、民間型試作機は、ベル社施設(カナダ・ミラベル市)で試験を重ね、2018年7月5日に米国連邦航空局から型式証明を取得している。