フォルクスワーゲンのEVがオーバーオールウインを達成した今年のパイクスピーク。だがもうひとつ、注目すべき記録が達成されていた。ベントレー・ベンテイガが量産SUVのコースレコードを樹立したのだ。
6月25日にアメリカ・コロラド州で開催されたパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム。全長12.42マイル(約20km)の中に156ものコーナーがあるこのヒルクライムレースで、ベントレー・ベンテイガが量産SUVのコースレコードをマークした。
10分49秒9というタイムは、前回の記録を2分近くも短縮するという素晴らしい数字。記録を達成したベンテイガは608ps、900Nmを発生するW12エンジンを搭載したモデルで、フロントシートをスパルコのレーシングタイプにし、リヤシートを取り外し、ロールケージと消火システムを搭載し、アクラポビッチのスポーツ・エキゾースト・システムを装着し、タイヤをピレリのDOTコードのものに変更した以外は市販モデルと同じというのだからすごい。ともするとラグジュアリー性ばかりが強調されるベンテイガだが、動的パフォーマンスにおいても世界最高峰であることがこれで示されたと言えるだろう。
ドライバーを務めたリース・ミレン選手は「まったく、なんてマシンだ!最小限の改造を施しただけのラグジュアリーSUVが、このコースを11分以内で走り切ってしまうなんて!これはベンテイガのパフォーマンスと技術レべルの偉大さの証明だ。実に凄い走りだった。マシンが私に目一杯攻める自信を与えてくれたので、ここまで一気に走り抜けることができたよ」
とコメント。過去にパイクピークで2度の優勝を誇るミレン選手にとっても、ベンテイガの走りは驚くべきレベルだったようだ。