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VWのEVマシンがパイクスピークで総合優勝を獲得!


96回目を迎えるアメリカ・コロラド州で行われるヒルクライムレース、パイクスピークにEVのレーシングマシンで参戦することを表明していたフォルクスワーゲンが、見事に総合優勝に輝いた。従来の記録を16秒も上回るタイムは、同社の新たなEVシリーズ「I.D」の技術の高さを証明したとも言えるだろう。

 1916年に初開催され、今年で96回目を数えるパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム。6月24日に行われた、この偉大なる山登りレースに電気自動車の「I.D.R Pikes Peak」参戦したフォルクスワーゲンが、ロマン・デュマのドライブで7分57秒148をマーク、見事に全カテゴリーを含む総合優勝に輝いた。これは2013年にセバスチャン・ローブが記録したレコードタイムを16秒も上回るものだ。

 この「I.D.R Pikes Peak」はパイクスピークのために造られたEVレーシングマシン。重量はバッテリーセルも含めて1100kg未満、パワーは500kW(680ps)を発揮。空気の薄い高地でのレースのためにダウンフォースの確保が最大の課題で、そのために大型のリヤウイングやグランドエフェクト効果を生むボディなどを導入し、またシミュレーションソフトを駆使してエネルギー需要やパフォーマンスを最適化する方法を算出。プロジェクトの発表が2017年10月18日、それからわずか8ヵ月でこのマシンを完成させたことは驚きに値するだろう。

 ドライバーを務めたロマン・デュマは「新記録を樹立できて最高の気分です!テストの時から記録更新の可能性があるのはわかっていましたが、それには全てが完全でなければなりませんでした。「I.D.R Pikes Peak」は今までのレース経験の中でも最も印象的なマシンです。電気自動車は多くの点で通常のマシンとは異なりますが、プロジェクトを通じて多くのことを学んできました。チームは最新の注意を払って作業に取り組み、同時にリラックスもしていました。私たちは目標とする結果を達成しただけでなく、チームワークでも勝利したのです」とコメント。

以前はダートコースであったパイクスピークだが、現在は舗装されている。

 オーバーオールウインを達成したことで、「I.D.R Pikes Peak」とロマン・デュマの名はパイクスピークの歴史に刻まれることになる。フォルクスワーゲンの新たな電気自動車シリーズとなる「I.D.」ファミリーにも、このマシンで得られたノウハウとテクノロジーが搭載されるはずだ。

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