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樹脂ピン構造が人を救う [人とくるまのテクノロジー展2018横浜]


人とくるまのテクノロジー展の数日前、日本精工から新製品のニュースが届いた。しかし、リリースを読んでも構造と効果がよくわからない。そこで、展示会場のブースの担当者に思いを語ってもらった。

 その「新製品のニュース」というのはこちら。

 写真と図版から理解を試みたけど、何が何やらよくわからない。衝突時にテレスコ方向に縮むことで──というのはわかるのだが、製品名にもある「樹脂ピン」とやらがどのようにセットされていかに働くのかが見えてこない。




 そうしたら、同社の展示ブースに本製品が飾られていた。樹脂ピンというのは下の写真に示す2本の円筒形。テレスコの内筒と外筒を固定する機能を果たしていて、万一の衝突時にはこれらが外れて飛び、外筒(ドライバーから見て下流、固定されているコラム側)のスムースな移動を許すという構造にしたのが今回のポイントだ。



 では従来品はどのようにしていたのかというと、樹脂ピンで押さえていたのは同じなのだが支えていた部位が違った。コラム本体のステーに用いていた。衝突時にここが外れて進入しようとしても、内筒のステアリングホイール軸側に対してまっすぐに進みづらく、結果としてくの字を描いてしまう懸念があった。素直にスコッと縮みにくい構造だったのだ。



従来品は、下側のステーに樹脂ピン固定を用いていた

 外筒と内筒を確実に縮ませたいなら、ピンの位置を最初からここにセットすれば良かったのではと少々意地悪な質問を投げかけてみたところ、もちろんNSKでも当初から本製品のようなアイディアは上がっていて、しかし生産技術の関係で実現していなかったのだという。今回(詳しくは聞き出せなかったのだが)技術開発が進み樹脂ピンを直接外筒に敷設することができ、本品が実現した。




 これに伴い、コラム本体の設置も剛結できることとなり、当然ながら振動特性と剛性も大幅に向上。従来比で11%ものアップを果たしている。次段として、NSKはロアシャフト(コラム側、中間シャフトと接続する軸)の中空化を検討し、軽量化をより一層進めていきたいとしている。

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