日本イートンは、人とくるまのテクノロジー展2018横浜で、スーパーチャージャーユニットと並んでEV用のPDUを展示した。イートンとEVという組み合わせが新鮮だったが、果たしてイートン製PDUとはどんなものだろうか?
コルベットZR1が使うイートン製スーパーチャージャー、R2650
日本イートンのブースには、いつものように自動車エンジン向けのスーパーチャージャーが展示されていた。ひとつはR410という型式で、同社のTVS(ツイン・ボルテックス・シリーズ)のスーパーチャージャーだ。TVSは、ローターが4枚(4葉)で、捻り角度が160度のローターを使うタイプ。現在自動車用のスーパーチャージャーは事実上イートン製が独占している。このR410はボルボのDrive-Eエンジンが使っている。
その隣には、ひときわサイズの大きなスーパーチャージャーが展示されていた。型式「R2650」。これは、GMのシボレー・コルベット向けに開発されたスーパーチャージャーで、最強モデル「ZR-1」が搭載する6.2ℓV8OHVに装着して755ps/969Nmという途方もないパワー&トルクを叩き出す。
イートンは、TVSシリーズの次世代スーパーチャージャーを開発中だが、今回はそれは展示していなかった。
じつはイートンの得意分野、EV用PDU
日本イートンが今回出展の目玉に据えたのは、EV用のPDUだ。PDUとは「パワー・デストリビューション・ユニット」のことで、バッテリーとインバーターの間に搭載されるデバイス。パワーエレクトロニクスに分岐するすべてのアプリケーションを監視、管理し、電気システムを保護する役割を担う。これまでは2012年にイートンが買収した「クーパー・インダストリー」社の製品で、BUSSMANNブランドで展開していたが、買収にともなって「EATON BUSSMANN」シリーズとなっている。
同社のPDUは、GMのEV、中国BYD社、および多くの中国メーカーのEVで非常に高いシェアを誇っている。もともと、高電圧のヒューズメーカーとしての実績がある同社だが、EVの高電圧化にともなってEVでのアプリケーションが拡大しているとのことだ。