新日鐵住金は、超ハイテン鋼板の供給体制を強化するため、君津製鉄所に溶融亜鉛めっき設備(CGL)を新設する。新CGLは、強度1.5GPa級の超ハイテン鋼板の製造が可能で、生産能力は月産33千トン、2020年度第2四半期の生産開始を目指す。
自動車業界においては、世界的に環境規制強化と衝突安全基準の厳格化が進み、車体の軽量化・高強度化ニーズの高まりから、各自動車メーカーでの超ハイテン適用が増加しており、今後も需要拡大が見込まれる。また、今後、普及が見込まれる電気自動車などの電動車においても、走行距離やバッテリー重量の問題により、車体軽量化のニーズが一層高まるものと考えられる。こうした中、新日鐵住金は、車体の軽量化・高強度化を実現する超ハイテン鋼板のニーズ拡大に対応するため、超ハイテン鋼板の供給体制を強化することとした。
なお、超ハイテン鋼板におけるハイテンとは、High Tensile Strength Steel(高張力鋼)の略称。引張り強さが1.0GPa以上ある鋼板を超ハイテン鋼板という。引張り強さ1.5GPaのハイテンは、1mm2あたり150kgの力が加わるまで破断しない。
本施策は、鉄のポテンシャルを最大限引き出す「鉄を極める」取り組みの一環であり、新日鐵住金は超ハイテンなどの高機能素材とソリューション技術の提供により、顧客の価値創造に貢献していく。なお、本施策にあわせ、君津製鉄所4CGLを休止する。
<新CGLの概要>
・生産品種:溶融亜鉛めっき鋼板、及び、合金化溶融亜鉛めっき鋼板
・生産能力:33千トン/月
・稼働開始:2020 年度第2四半期(予定)