豊田合成株式会社は、青色LEDの主材料である窒化ガリウム(GaN)を用いて開発している「縦型GaNパワー半導体」で業界トップクラスの大電流化を実現した。
高耐圧と低損失を両立できる画期的な縦型GaNパワー半導体
パワー半導体は、電子機器の電源やアダプターなどの電力変換器で幅広く使われているが、従来のシリコン製では、材料の性質上、「高耐圧」と「低損失」(低い導通損失・スイッチング損失)のふたつの性能を高い次元で両立することが困難だった。
豊田合成は、材料として高耐圧・低損失な「GaN」を使用することに加え、構造として電流を基板に対して垂直方向に流す「縦型」を採用することで、「業界トップクラスの大電流化」(1チップで50A以上)や「高周波動作」(数メガヘルツ)を実現、以下のようなさまざまな用途への適用を目指す。
〔活用が期待される領域 (事例)〕
電力変換器「小型・軽量化」「高効率化」 :自動車などのPCU/DC-DCコンバーター
高周波電源「高出力化」:ワイヤレス給電
豊田合成は、今後はさらなる信頼性の向上を図り、半導体・電機メーカーなどとも協業し、実用化に向け開発を進めていく。
なお豊田合成は4月18日(水)~20日(金)に幕張メッセ(千葉市)で開催される電子部品の技術展「テクノフロンティア2018」に出展し、パワートランジスタ(MOSFET)とショットキーバリアダイオードを紹介するほか、これらの縦型GaNパワー半導体を世界で初めて搭載したDC-DCコンバータを実演する。