大手自動車部品メーカーのミツバは二輪車用ではETCやホーンなどでもおなじみだ。東京モーターショー会場では、電動モビリティの普及を見据えたモーターやコントロールユニットを展示中。中でも電動モーターでコンバージョンしたトライアルマシンに注目を集めていた。(PHOTO&REPORT:石川順一)
2017年のミツバブースでは動力をエンジンからモーター化したモンキー(群馬県の企業なので"ぐんまちゃんカラー"にペイント済み)で、話題となっていたが、今年はトライアル車を展示。今回のE-TRは軽量なトライアルバイクをベースにモーターユニットでコンバージョンした意欲作。通常のコンバージョンEVではギヤをいずれかに固定してしまうのが一般的だが、このE-TRではミッションの機能はそのまま生きており、シフトチェンジも可能。バイクならではの操る楽しさをEVで体現しているのだ。
リチウムイオンバッテリーは車体中央のフレーム内に設置。マスの集中と高重心化に寄与していそうだ。トライアルらしい乗り心地も確保されているに違いない。
会場ではテストライダーを務めるトライアル国際A級スーパークラスの砂田真彦選手がE-TRで走行する映像も放映していた。最高出力10kWに最高トルク18N・mと十分なモーターのパワーを活かして岩場を軽々と乗り越えていく姿に、かなりの将来性を感じた。
現在はまだ15分程度の走行が限界とのこと。今後の開発が待たれる。ちなみにモーターユニットは汎用化を見据えたもので、単体での出品もあった。これさえあれば、お気に入りのバイクの電動化も夢ではない。