トヨタが新開発したマニュアル・トランスミッション。iMT(インテリジェントMT)と名付けられた新開発MTを国内で最初に採用するのは、デビューしたばかりのカローラスポーツだ。
カローラスポーツのコンベエンジン版である1.2ℓ直4ターボエンジン搭載車のトランスミッションは、CVTとMT。このMTがiMTとトヨタが称する新開発トランスミッションなのだ。デビュー当初はCVTのみだが、8月にはこのiMTも選べるようになる。2010年代も終わりにさしかかって新規に開発されたマニュアルトランスミッションとは、どんな技術が投入されているのだろうか?
トヨタは、マニュアルトランスミッションも新開発した。日米市場を見れば2ペダル・トランスミッションが主流に見えるが、グローバルに考えるとマニュアルトランスミッションの比率はまだまだ高い。小型軽量高効率のマニュアルトランスミッションを開発するのは、CO2削減に効いてくるとトヨタは考えている。
トヨタとアイシン・エーアイが開発した新型6速MTは、質量で7kg低減、全長で24mm短縮したうえで、世界トップクラスの伝達効率を実現した。許容トルクは280Nm、質量は40kgと発表されている。世界を見渡せばMTの需要はまだまだある。リバース用シャフトを追加し2.5軸化、ハブ薄肉化、ニードルベアリングの廃止、ケースの薄肉化とともにギヤトレーンとケースを近づけることでオイル量を従来の3分の2にした。
トヨタとの共同開発だが、アイシンAIは、この新MTを他の自動車メーカーにも供給できるという。実際、アイシン・エーアイのMTは、BMWなどが採用している。
新6速MTのトルク容量280Nmは、1.2~ 1.5ℓのダウンサイジング過給エンジンの最大トルクをほぼカバーするから、欧州メーカーからの引き合いもありそうだ。
新型6速マニュアルトランスミッション
許容トルク:280Nm
質量:280Nm
コントロールタイプ:ケーブル式
シンクロ設定:全診断、後進段フルシンクロ