基本構成を共通化し、車両重量もほとんど同一の兄弟モデル、ニンジャ250とニンジャ400。ニンジャ400はパワフル!だけど車検があるからコスパ面はニンジャ250に分がある……そんな排気量による単純な違いだけでなく、今回の乗り比べによって、2台のキャラクターの違いがわかってきた。(MAIN REPORT:近田 茂 PHOTO:山田俊輔)
ニンジャ400……699,840円〜
ニンジャ250……629,640円〜
最高出力20%増の劇的進化を体感!【新型ニンジャ250試乗レポート】
両車は何処をどう見ても瓜二つ。もちろん良く見れば区別はできるが、パッと見の外観デザインやサイズはほとんど同じ。決定的な違いは、右側にアップしたマフラーが、Ninja400の方が約65mm長い。加えて装着タイヤがNinja250はダンロップのアローマックスGT601(バイアス)に対して、Ninja400には同じくダンロップ製だがラジアルのスポーツマックスGPR300を選択。前輪は同サイズだが、後輪はNinja 250 の140/70-17 に対してNinja 400 は150/60R-17を履いている。
車体を扱う感触も跨がった時の印象や足着きもほとんど同じだが、タンク内でガソリンが揺れた時の挙動が若干異なって感じられた。車重は1kg 重いだけだが、400 は少し落ち着きがある雰囲気。そして走り始めると、両者には明確な違いがあることに驚かされる。極端な差ではないが乗り心地にはそれぞれのイイ「味」が発揮されていたのだ。
一言で表すならば、当然のごとく「エンジンのパフォーマンスの差」である。特に5000rpmを超えた当たりから1万rpm超えまでは実に頼りになる太いトルクが存分に楽しめる。市街地、郊外の峠道、そして高速まで、右手のひと捻りで得られる加速力は十二分に速く、かつ走行中も十分なゆとりがある。
ミッションも専用設計されており、出力特性とのマッチングが良い。ちなみに100 ㎞/hクルージング時のエンジン回転数は6000rpm。共にショートストロークタイプのエンジンだが、ボア/ストローク比はNinja400 が1.35。Ninja250 は1.50と、Ninja250の方がよりショートな設定。クランクマスやそれぞれに用意された専用ミッションの違いで、異なるキャラクターに仕上がっているのだ。
ズバリNinja400は「逞しい」!
またタイヤの違いと若干のディメンションが異なる関係で、操縦性も400 は落ち着きがある。大差ではないが乗り味としてエンジンのキャラクターにマッチ。路面の細かな衝撃吸収も良いし粘着質なグリップ性能の高さも感じられ、その走りには良い意味での余裕が感じられるのだ。
峠道はスポーティに走りを楽しみたいし、ロングツーリングにも使いたい。日本の道路事情を考慮すると実に程良く、全く不足の無いパフォーマンスだ。ピュアなスポーツバイクを色々なシーンでフルに活用できる。そんな魅力を覚えたのがNinja400の正直な感想である。
及川ルイ子's Impression/NinJa400
近田茂's Impression/NinJa250
及川ルイ子's Impression/NinJa250
近田 茂・ライダープロフィール
1970年代にモトライダー誌の製作に携わり、その後フリーに転身。守備範囲はモーターサイクル、クルマ、大型トラックまで幅広い。
及川ルイ子・ライダープロフィール
1992年にフル参戦した関東ロードレース選手権・S80クラスで、MFJ公認レースとしては女性で初めてシリーズチャンピオンを獲得する経歴を持つ。最近ハマっているのはトライアル競技を観戦すること。いつか自分でもやってみたいと模索する今日この頃。愛車はRZ250とセロー225。