ドイツ・アウディAGは3月6日、同日より開催されたジュネーブモーターショーにおいて、年末発売予定の同社初となる市販EV「e-tron」のプロトタイプを公開するとともに、特別なカモフラージュが施された車両でジュネーブ市内を走行。一般人がスクープ写真を撮影する機会を提供した。
アウディe-tronプロトタイプは、ラグジュアリーカーのスペースと快適性、長い航続距離を組み合わせたスポーティなSUV。アウディのラグジュアリーモデルと同等のスペースと快適性を備え、5人の乗員とたくさんの荷物を積載できるうえ、長距離ドライブも可能な航続距離と幅広い充電方法を備え、ユーザーは一切妥協することなく電気自動車を使用することができる。
市販バージョンは最大150kWの容量で急速充電でき、それによりわずか30分以内に充電を行い、ロングドライブに出発することが可能。そして電動の「クワトロ」4輪駆動システムは、あらゆる路面で力強いパフォーマンスを発揮する。
アウディe-tronプロトタイプは、欧州市場で2018年末に発売され、ベルギー・ブリュッセルのカーボンニュートラルな工場で生産される予定。
それまでの間に約250台の試作車が製作され、極寒のスカンジナビア、灼熱のアフリカ大陸、アジアの山岳地帯、ニュルブルクリンクの北コース、中国の大都市の渋滞、米国のハイウェイで総計500万kmに及ぶ実走テストが行われるとともに、様々な充電方法のすべてを検証するため、個別の充電基準に対するテストが、世界中の試験場や公共エリアで実施される。
そして、アウディAGのルパート・シュタートラー会長は、e-tronプロトタイプの発表に先立ち、「アウディ初の電気自動車は、未来に向けた重要なマイルストーンとなるものです。アウディは、2020年には3タイプの電気自動車を市場に送り出しているでしょう。それらは、今回発表するスポーティなSUV、アウディe-tornスポーツバックコンセプトの市販バージョンとなる4ドアグランツーリスモ、そしてコンパクトセグメントのモデルです。2025年までには、あらゆるセグメントとコンセプトを網羅する、20モデル以上の電気自動車とプラグインハイブリッド車を発売する予定です」と、今後の計画を明らかにしている。