自動ブレーキや車間距離維持装置など、最近のクルマはドライバーにとってまさにいたれりつくせりの機能で満ちあふれているが、先日、国土交通省が、それに合わせた車検制度の見直しをすることを発表した。
と聞くと、またお役所がうるさいことを言い出した、と思う人もいるだろう。が、国土交通省は別にこれらの機能に関していちゃもんをつけているわけじゃない。確かに、現行の道路運送車両法にはこれらの機能に関する規定ははないが、元々、各メーカーは道路運送車両法に抵触しないレベルで機能を追加しているわけだから、機能自体に問題があるということではない。要は、車検や定期点検時の点検項目に入っていないと言うことなのだ。
もちろん、ディーラーで車検や点検を受けているならいいが、ディーラー以外の車検業者やユーザー車検において、例えば緊急時に自動ブレーキが効くのかどうかとか、車間を測るカメラやセンサーがちゃんと機能しているのかどうかまでは点検できない。元々。点検項目に入っていないのだからそれは当然だ。
そこで、国土交通省が重い腰を上げたというわけ。道路運送車両法の改正というよりは点検項目の追加といったほうがいいだろう。
それより気になるのが、点検項目が増えることで車検費用がアップするんじゃないか? ということ。ご存じのように車検にかかる費用は税金以外はいわゆる点検代。人件費と作業代、部品代などがそれにあたる。となれば手間が増えてさらに部品代も増えるかもしれない。従来よりも費用がかかるんじゃないの? と思うのは当然だ。
改正はまだ先だが、その辺、どうなるのか、しっかり見守って行きたい。