ホンダの航空機事業子会社であるホンダ エアクラフト カンパニー(Honda Aircraft Company 以下、HACI)は、HondaJet(ホンダジェット)の2017年暦年(1月~12月)におけるデリバリー数が43機となり、小型ジェット機カテゴリーにおいて第1位を獲得した。2017年上半期(1月~6月)に続き、通年でもデリバリー数において世界トップを達成した。
HondaJetは、主翼上面のエンジン配置(Over-The-Wing Engine Mount)形態や自然層流翼型、一体成型複合材胴体などのHonda独自開発技術により、クラス最高水準の最高速度、最大運用高度、上昇性能、燃費性能、静粛性および室内サイズを実現、これまで13区間において、最短飛行時間記録を更新するなど、優れた実用性能を備えている。
2015年12月に米国連邦航空局(Federal Aviation Administration)から型式証明を取得したHondaJetは、2015年から2017年にかけて欧州、カナダやブラジルなどでも型式証明を取得。さらに2018年1月には中国におけるディーラーが稼動を開始したほか、フランスのエアタクシーサービス提供会社のWijet S.A.(本社:フランス・パリ)から16機のオーダーを受けるなど、今後もHACIはより一層、事業を拡充させていく。現在、4機/月のペースが、今後は5機/月になるという。となれば、2018年は60機/月ということになる。
2017年の世界のビジネスジェット機市場は、676機で前年比1.3%増。そのなかで、ホンダジェットが属するカテゴリーの超小型機(乗員10人未満)は、需要が伸びている。ホンダジェットは、2015年に2機、16年に23機、17年に43機を生産した。ちなみに、ホンダジェットに次ぐ生産数は、セスナ「サイテーションM2」39機だった。
ホンダジェットのカタログ価格は、1機490万ドル(約5億2550万円)。143機で単純計算して225億円。ホンダの16年の四輪売上高は、約10兆2566億円だから、航空機部門の売上はごくわずか。それでも、ホンダブランドにとって、ホンダジェットの価値は非常に大きいと言える。かつての「F1」に匹敵するものだろう。
ホンダ エアクラフト カンパニー藤野 道格社長 のコメント
「多くのお客様から、HondaJetの性能、快適性、使い勝手の良さやビジネスジェット機としての完成度の高さなどに対して非常に高い評価が得られていることをうれしく思います。HondaJetは、先進機能を搭載したスポーティーな航空機で、例えるなら空飛ぶスポーツカーと言えます。今回の最多デリバリーの達成に関し、HondaJetを購入してくださったすべてのお客様に感謝したいと思います。今後もビ