三菱電機は、世界で初めて、AIを用いたインテリジェント無線通信技術を開発した。AIによる最適な自動チューニングにより、無線通信用増幅器の利得(増幅器における入力と出力の比)を従来の2倍、動作効率を20ポイント向上するとともに、1台のデジタル回路で同時に最大3種類の任意の動作周波数・通信方式に対応する。これにより、様々な通信方式への対応が必要なIoT関連機器の低消費電力化・小型化・グローバル化に貢献する。(2018年2月14日現在、当社調べ。1GHz以上で動作する増幅器として)
近年、無線を使って様々なものをインターネットに繋げるIoT化の需要が拡大している中、スマートフォンやウェアラブル端末、バッテリー駆動のセンサーなどの通信モジュールにおいては、さらなる低消費電力化・小型化と様々な周波数帯や通信方式への対応が求められている。三菱電機は今回、IoT関連機器の低消費電力化・小型化・グローバル化に貢献するインテリジェント無線通信技術を開発した。
【開発の特徴】
1.AIを用いた最適自動チューニングにより増幅器の利得と動作効率を改善
・同社独自AI技術「Maisart」を用いて増幅器への入力信号と動作電圧の制御を自動で最適チューニングし、増幅器の利得を従来比2倍、動作効率を20ポイント向上(従来のAIを使用しない増幅器との比較において)
・増幅器の利得と動作効率の改善により、通信機器の低消費電力化に貢献
2.1台のデジタル回路で同時に最大3種類の任意の動作周波数・通信方式に対応
・動作周波数・通信方式をソフトウェア制御で再構成し、1台のデジタル回路で同時に最大3種類の任意の動作周波数・通信方式に対応
・1台で同時に複数の通信方式に対応できるので、通信機器の小型化・グローバル化に貢献
2018年度以降、増幅器のさらなる高効率化に向けた研究開発を行い、
携帯電話基地局・端末局、家庭や工場などのIoT関連機器への展開を目指す。