ブリヂストンの米国子会社ブリヂストン アメリカス・インク(BSA)と、持続可能な環境に貢献する技術開発に取り組んでいるイタリアのVersalis(ベルサリス)社は、17年12月にグアユールの商用化に向け戦略的な提携を開始した。
グアユールは、米国南西部からメキシコ北部にかけての乾燥地帯が原産の低木で、現在の天然ゴムの主要な供給源であるパラゴムノキとはまったく異なる土地で栽培することができる。またその組織に含まれるゴム成分がパラゴムノキ由来の天然ゴムによく似た性質を持つことから、新たな天然ゴム供給源になるものと期待されている。
この提携は、BSAのグアユール農業技術・加工プロセス技術における強みと、Versalis社の持つ商用化に向けたプロセス構築や市場開拓に関するノウハウを結びつけるもの。両社は共同で、グアユールの商用化に向けた研究開発を推進する。具体的には、最新の遺伝子技術を駆使してより生産性の高いグアユール品種の開発を目指す。また本提携を通して、グアユールの加工技術がアリゾナ州メサ市の当社グループ研究施設「Biorubber Process Research Center(BPRC)」で最適化されることで、グアユール由来の天然ゴムの品質改善・収穫量増加を実現できると考えている。
ブリヂストングループは、グローバルCSR体系である「Our Way to Serve」に基づき、持続可能な調達を推進するための、新たな調達ポリシーを2018年2月に策定した。本ポリシーは2050年を見据えた環境中期目標として掲げる「100%サステナブルマテリアル化」の達成に貢献するもので、今回のVersalis社との提携もこの環境中期目標の実現に向けた取り組みの一環となる。なお、ブリヂストンでは「継続的に利用可能な資源から得られ、事業として長期的に成立し、原材料調達から廃棄に至るライフサイクル全体で環境・社会面への影響が小さい原材料」をサステナブルマテリアルと位置付けている。