Hondaの軽乗用車「N-BOX(エヌボックス)」が、JNCAPの平成29年度「衝突安全性能評価」において最高評価となる「ファイブスター」を獲得した。
N-BOX試験結果(試験車両のタイプはG・Honda SENSING)
・乗員保護性能評価 88.8点
・歩行者保護性能評価 83.67点
・PSBR(パッセンジャーシートベルトリマインダー)評価 6.0点
・総合評価 184.1点
先代のN-BOXでも試験されていて、そのときの結果はそれぞれ、72.02点/81.73点/4.0点/157.7点/フォースターであった。2011年モデルで、グレードはG・Lパッケージである。
フルモデルチェンジにあたってパッシブセーフティの充実が功を奏し、乗員保護性能評価において著しくポイントを伸ばした。前回のフルラップ前面衝突試験においては、乗員保護性能が運転席/助手席ともに「レベル3」にとどまっていたのに対し、今回は運転席レベル4/助手席レベル5の成績を叩き出している。オフセット前面衝突においても、先代:レベル4/3が今回はレベル5/4へと伸長している。
また、アクティブセーフティの充実も目覚ましく、0km/hまでをカバーする自動追従機能を含めたHonda SENSINGの搭載によって、軽自動車のみならずクラスを超えた安全機能を備えているのが大きな魅力である。これらの充実によって、歩行者保護性能評価/PSBRの点数を高めたのは想像に難くない。
(以下、プレスリリースから)
N-BOXは、平成29年度「予防安全性能評価」においても、最高評価となる「予防安全性能評価 ASV++」を獲得。衝突安全性能評価、予防安全性能評価ともに最高評価を獲得したのは、軽自動車ではN-BOXが初めて(2018年1月現在。「予防安全性能評価」はASV++が採用された2016年度/平成28年度以降、「衝突安全性能評価」は新・安全性能評価が採用された2012年度/平成24年度以降の実施車種において)となる。
N-BOXは、主要フレームの高効率配置や超高張力鋼板の適用拡大などにより、大幅な軽量化を図りながら、乗員、相手車両、歩行者を視野に入れたさまざまな技術を採用し、高い全方位衝突安全性能を実現した。また、先進の安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダ センシング)」をHondaの軽乗用車として初めて採用し、全タイプに標準装備(Honda SENSINGを装備しない仕様も選択可)としている。
主な技術
・前面衝突対応技術
クルマ対クルマの衝突において、効率的に衝突エネルギーを吸収するコンパティビリティー対応ボディーをさらに進化させた。エンジンルームは、衝突時にエンジンとサブフレームをダッシュロアー下に後退させることで、足元のキャビン変形を抑制するとともに、エンジン後退量を増加させることで衝撃吸収ストロークを確保。さらに、衝突エネルギーをフロントドアにも受け持たせるドアロードパス構造を採用し、キャビンの変形を抑制した。
・側面衝突対応技術
サイドフレームとフロアクロスメンバーの断面形状や強度と、クロスメンバー配置を最適化。衝突側からの衝撃をサブフレームで受け止め、クロスメンバーを介して非衝突側のサイドフレームに衝撃を伝達し、分散することで、衝突エネルギーの吸収効率を向上させた。これにより、センター燃料タンクヘの攻撃性を保護するとともに、キャビン変形量を抑制した。
・後面衝突頚部保護対応技術
後方からの衝突時、乗員の体をシートバッククッションでサポートし、リアフレームで衝撃エネルギーを吸収すると同時に、頭部をヘッドレストでサポートして頚部への衝撃を緩和するフロントシートを採用した。
・エアバッグシステム
軽乗用車として初めて(2017年8月現在)、運転席と助手席の両方に内圧保持タイプのi-SRSエアバッグシステムを標準装備としたほか、側面衝突対応エアバッグを含む6つのエアバッグシステムを設定した。
・歩行者傷害軽減ボディー
歩行者にダメージを与えやすいボディー前部に、衝撃をやわらげる構造を採用した。従来モデルに対し、より進化させた技術を適用し、優れた衝撃吸収性能を効率的に実現している。
(以上)