誰もがこの心温まるフォルムに笑みを投げかける。それは少年の頃に目にしたことのあるクルマが長い時を経てなお生き残り、今ここにあるということが懐かしさと同時に感動すら覚えてしまうからなのだろう。そこに見え隠れする、あの頃の自分や時代の輝き。そして今だからこそ目に映る「新鮮」さ。古きものの中に見える、時代にぶれることのない「新しさ」がとても心地良い。
「念願だったジュリエッタはデザインが魅力」K.Mさん(自営業・52歳) アルファロメオ ジュリエッタ スパイダー[1962/イタリア]
【Alfa Romeo Giulietta Spider】
製造開始年/1962年
排気量/1300cc
エンジン/直列4気筒
もともとアバルトに乗っていたMさんだが、もう少しパワーのあるイタリア車が欲しいと念願のアルファロメオ・ジュリエッタを購入した。この車は第二次世界大戦後に量産車メーカーとなったアルファロメオが開発し、大人気となったスポーツカーだ。
「やはりイタリア車のデザインが良いですね。この車はカロッツェリア・ピニンファリーナが車体製造を担当しています。エレガントだけれど乗るとやんちゃなところもあって。この排気量の中でどこまで走れるかを楽しんでいます」とMさんは話してくれた。
「バラバラの部品を自分で組み立てました」 Nさん(整備士・46歳) フィアット500R[1970/イタリア]
【FIAT500R】
製造開始年/1936年
排気量/594cc
エンジン/直列2気筒
5年前にバラバラの状態で購入して自分で組み立てたという整備士のNさん。映画「ルパン3世 カリオストロの城」に登場したフィアット500Rを見て一目惚れをしたという。
「この車は2台目なんです。1台目は結婚した際に手放したのですが、もう一度欲しくなったんです」と話す。自分でデザインしたドアパネル、赤色に張り替えた内装など世界にひとつだけの車にした。
「走行中にコンデンサーが壊れて夜中にひとりで押して歩いたこともありました。でも走っていると皆が見てくれるのは嬉しいですね」。