スクーターにオフロード系スタイルを融合した「BW’Sシリーズ」の125ccバージョン。同じヤマハのシグナスXと同系統のエンジンを搭載するが、大きく異なったルックスからも推測できるとおり、走りのキャラクターは異なった味付けとなっている。
ヤマハ BW’S125
31万8600円
■■実力分析結果■■
・加速力……………………………8Point
・最高速……………………………7Point
・実用性……………………………7Point
・コストパフォーマンス……6Point
オフテイスト溢れる作りが日常に遊びをプラスする
BWʼS125は歴代モデルから受け継いだSUV感覚の遊び心溢れるスタイルが最大の特徴だ。最新型はアイデンティティでもあった丸目二灯ではなくなったが、バーハンドル&ハンドガードや無骨なスチール製のリヤキャリア、さらにファットなブロックタイヤは健在でタフな装備が冒険心をそそる。
フレームやエンジンはシグナスXと共通なのだが、この雰囲気だけでオフロードも走れそうな気がしてくるから不思議だ。実際にタイヤはダートでもそれなりにグリップするし、ハンドガードも道路脇の小枝を弾いてくれるので頼もしい。
荒々しい鼓動のパワーユニットは、シグナスXと基本構造は一緒だが、ファイナルギヤをやや低中速に振っているため、中間域でトルクが乗って一気に加速していく。これに剛性感のある車体とダンパーが効いた前後サスペンションとの相乗効果で、シャキっとした走りが楽しめる。
また、トラクションの掛かりが良いため、スロットルワークを駆使して砂利道で軽くリヤをスライドさせたり、良く効くブレーキを逆手にとってリヤをロックさせてターンしたりといった〝遊び〞も提供してくれる懐の深さがある。
もちろん、普段使いでも29ℓの大きめなシート下スペースや500㎖ペットボトルがすっぽり入るフロントラックで実用性は十分。シート高は780㎜と若干高めだけどそこまで気にはならないはず。(佐川健太郎)
佐川健太郎>>>
バイクジャーナリスト、「ライディングアカデミー東京」校長、日本交通心 理学会員などいくつもの顔を持つ。愛称はケニー佐川。
後藤 武‘S IMPRESSION
もっとインパクトを !
「私は初代BW’S50の大ファンだった。オフ×スクーターなんて個性的にもほどがある ! 現行の125ccはトルクがあり、性能に関してはハッキリ言って文句のない出来栄え。だからこそ苦言を呈したい。見た目をもっとハッチャけて、このBW’Sブランドをより確固たるものにして欲しい!」
後藤 武>>>
オートバイ誌クラブマン元編集長。 顔に似合わず繊細な感覚の持ち主で、各車の違いを読み取る。
Specifications
■全長×全幅×全高 1910×765×1125㎜ ■シート高 780㎜ ■車両重量 119㎏(装) ■総排気量 124㏄ ■エンジン種類 空冷4ストSOHC 4バルブ ■最高出力 9.8ps(7.2kW)/7500rpm
■最大トルク 1.0㎏m(9.9N・m)/6000rpm ■燃費 36.1㎞/ℓ ■燃料タンク容量 6.5ℓ ■ブレーキ (前後)ディスク ■タイヤサイズ (前)120/70-12(後)130/70-12
モトチャンプ監修
大量試乗コメント付きスクーターバイヤーズガイド の 2017-2018年版。
スクーターを狙っている人必見の参考書!
「使い勝手リアル解剖」と称して、収納スペースの比較や燃費テスト、GPSロガーを用いた加速性能テストなど雑誌ならではの企画が目白押しです。