初登場から14年。デビュー当時から一貫しているのは、スクーターレースの第一線でも活躍できる高いポテンシャルを備えているということ。その要とも言える12インチの足周りは、4代目となり前後ディスクブレーキに。より完璧に進化を遂げた。
ヤマハ シグナス-X SR
31万8600円
■■実力分析結果■■
・加速力……………………………8Point
・最高速……………………………6Point
・実用性……………………………7Point
・コストパフォーマンス……7Point
トルクフルな走りと安定した操安性がキモ
ご存じシグナスXの初出は2003年。その後FI化されるなど進化を続け、四代目となる現行モデルではエンジンのトルクアップとともにリヤにもディスクブレーキを備えるなど着実にアップデート。
125㏄スクーターは国内外メーカーが入り乱れて開発競争を行っており、このクラスのパイオニアであるシグナスXは走行性能面で遅れを取るわけにはいかないのである。
シグナスXはセンターフレームを備えたPCXやNMAXと比べるとコンパクトに映るが、小型車だと思って油断すると良い意味で期待を裏切られる。スロットルを開けると、太いトルクとそれを継続させる低中速域を強化した駆動系の設定によってグングンと車速を上げていく。とくに低速からの立ち上がりが良く、交通の流れを簡単にリードすることができるため気持ちよく乗り回せる。
さらに魅力的だったのがハンドリングだ。低速から高速まで安定感があり、バンクさせた時もステアリングの動きが極自然。だから、タイヤの接地感もしっかり伝わってくるし、コーナリングも非常に楽しい。12インチ仕様でありながらこれだけの安定感を持っているのは驚きを隠せない!
街はもちろん、ミニバイクレースも活躍の場とするシグナスXであるが、その秘密はパワーユニットだけではない。安心して全開走行ができるこの車体があってこそ! (後藤 武)
後藤 武>>>
オートバイ誌クラブマン元編集長。 顔に似合わず繊細な感覚の持ち主で、各車の違いを読み取る。
佐川健太郎‘S IMPRESSION
トルクを生かしたダイレクトな操作感
「中速トルク型のエンジンとヤンチャなデザインがストリートユ ースにハマる。車体剛性もカチッとしていてハンドリングにもキレがある。また、ブレーキはリヤ側がディスクとなったことで良く効くがややロックしやすいかも。“操っている感”はダントツ! 」
佐川健太郎>>>
バイクジャーナリスト、「ライディングアカデミー東京」校長、日本交通心 理学会員などいくつもの顔を持つ。愛称はケニー佐川。
Specifications
■全長×全幅×全高 1895×690×1115㎜ ■シート高 775㎜ ■車両重量 118㎏(装) ■総排気量 124㏄ ■エンジン種類 空冷4ストSOHC4バルブ ■最高出力 9.8ps(7.2kW)/7500rpm
■最大トルク 1.0㎏m(9.9N・m)/6000rpm ■燃費 38.6㎞/ℓ ■燃料タンク容量 6.5ℓ ■ブレーキ (前後)ディスク ■タイヤサイズ (前)110/70-12(後)120/70-12 SPEC
※(乾)は乾燥重量、(装)は装備重量です。
※燃費はWMTCモード値です。
モトチャンプ監修
大量試乗コメント付きスクーターバイヤーズガイド の 2017-2018年版。
スクーターを狙っている人必見の参考書!
「使い勝手リアル解剖」と称して、収納スペースの比較や燃費テスト、GPSロガーを用いた加速性能テストなど雑誌ならではの企画が目白押しです。