見通しのいい4車線道路で上下線に睨みをきかす、Hシステム。ところが、よく見てみるとHシステムの特徴ともいえる白くて四角い大型レーダーの左右に配されているはずのCCDカメラと赤外線ストロボが見当たらない! なんだ、これ?
「違反を未然に防ぐ」という交通取り締まり本来の目的を果たしているといえるかも!
この不思議なHシステム、反対車線の後ろ姿をよく見ればわかるが、実は白いレーダーも中身はからっぽ。「違反車の速度を測り、赤外線ストロボとCCDカメラでナンバーと運転者を撮影し中央装置に伝送、後日、検挙する」というオービスの目的を100%放棄した、いわば田んぼのかかし状態なのだ。たぶん、製造メーカーである三菱電機の撤退により撤去の憂き目に遭っていたところを秋田県警が活用法を思いついたのだろう。
とはいえ、元気なドライバーを威嚇するにはこれで十分。手前には警告看板が設置されているし、カメラやストロボがないということに気づく人は希。ほとんどの人が手前でブレーキを踏むこと請け合いだ。
が、よく考えてみれば、これが「交通取り締まり」の本来の姿であるかもしれない。そもそもHシステムの正式名称は「高速走行抑止システム」であり、ドライバーの速度超過を「抑止」、つまり未然に防ぐめのシステムであるのだから。進入禁止路や一時停止ポイントでの待ち伏せや、覆面パトカーによる追い上げなど、不当とも言える取締が横行していることを考えれば、秋田県警のこのおちゃぶりは、我々ドライバーにとっては、歓迎されるべきものなのかもしれませんね。